私が指導した学生のなかで、大学のミスキャンパス・コンテストで優勝した経験がありながらも、「自分に自信がない」と悩んでいたTさんがいます。彼女は、ミスキャンで優勝しても、雑誌の表紙を飾っても、「自分はまだまだだ」と思っていました。それは、より広い世界を見ながら、チャレンジを続けていたからこそ、なのです。

 Tさんは、テレビ局の面接で「私は自分に自信がありません」と、弱みをさらけ出し、そして、アナウンサーとして内定を勝ち取りました。

 それ以来、私は、自分に自信がない学生には、「面接で思い切って、弱みをさらけ出そう」と指導するようになりました。失敗談や挫折の経験など、ネガティブな話をすることで、自分らしさを伝えられるからです。

 弱みをさらけ出すためには、今の自分を受け入れなければなりません。自分の弱みや過去の失敗を人に話すのは、なかなかつらいことです。

 それでも、さらけ出す勇気を持った人は、強くなれます。そして、人から好かれるようになれます。

 就活アドバイザーとして学生の相談に乗っていると、学生が泣き出してしまうことは、少なくありません。男子でも女子でも同じです。それは、イマドキの若者が“弱い”からではなく、みな真剣に自分の人生を考えているのです。

 ある男子学生は、私のカウンセリングのあと、「こう言うのも恥ずかしいですが、なんだか自分の人生が素敵なものに感じられるようになりました……」と言っていました。消したいくらい恥ずかしい過去の失敗も含めて、自分の人生なのだと思えるようになった人は、自分が誇らしくなります。

 もし、自分は話ベタだ、と感じているのであれば、思い切って失敗談や過去の挫折を人に話す勇気を持つところから始めてみてはいかがでしょうか。信頼できる友人や上司に打ち明け話ができるようになれば、一歩前進できるはずです。

『面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年で
 テレビの女子アナに内定した理由』霜田明寛著


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※この連載は、霜田明寛著『面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年でテレビの女子アナに内定した理由』の内容を再構成してお届けいたします。

プロフィール
霜田明寛
就活アドバイザー
霜田明寛 (しもだ・あきひろ)
1985年生まれ。東京都出身。早稲田大学商学部卒業。どうしてもアナウンサーになりたくて3年間にわたり就職活動をするも挫折。テレビ局の就活に詳しくなり、その経験をもとに著書を2冊出版。早稲田大学などで就活アドバイザーを務め、マスコミ就活サークル「就活エッジ」を主宰。アナウンサー志望者の指導には定評があり、4年間で30人以上のテレビ局アナウンサー内定者を輩出している。トレンダーズ株式会社ではソーシャルトレンドニュース編集長も務める。