――驚いたのは「セフレ」や「ソフレ」の存在です。

牛窪:今回、執筆にあたって定量調査のほかに約30人の20代の男女に話を聞いたのですが、セフレ(=セックスフレンド)やソフレ(=添い寝フレンド)がいるという子が少なくないんです。でも、彼らは、異性関係に奔放で遊び人というわけではなく、ごく普通のむしろ真面目な子たちばかり。そこには、「本命と違って、ただの友達だから女らしく(あるいは男らしく)振る舞わなくてもよいからラク」などという理由があって、理想と現実の狭間で迷走しているといってもよいかもしれません。

――ツイッターやフェイスブック、LINEなどのSNSの普及も、若者の恋愛模様に深く関係しているように思います。

牛窪:SNSの影響はとても大きいですね。20代の多くは競争よりもみんな仲良くというゆとり教育を受けた世代なので、女性だけでなく男性も共感欲求が強く、周りの空気を読みながらSNSで仲間とゆるくつながっているのが日常です。

 ただ、SNSが急速に浸透したことで、日々の生活、友人関係はもちろん、恋愛までも衆人監視の中で営まれるようになってしまいました。デートや恋愛に関する投稿は、「リア充自慢かよ」と言われたり、「(就職活動でみんな大変なのに)空気読めないな~」と仲間はずれにされたり、「A君とつきあっているのに、B君に気を持たせるようなことを言っていた」とチクられたり、本当に大変。情報が一気に拡散されるので、慎重にならざるをえません。仲間内で恋愛関係になると別れたあとでコミュニティに居づらくなるなど、いろいろ考えると交際に踏み切れないというのもあるようです。


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