最近の20代の若者は恋愛をしたがらないという。この注目の話題に鋭く切り込んだ新著『恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)を9月に上梓したマーケティングライターで世代・トレンド評論家の牛窪恵さんに、現代の若者の恋愛&結婚観や、社会的な背景、上の世代がどのように向き合えばよいのかをたずねた。
恋愛は必需品から嗜好品に
――現在、恋人がいない20代は、男性が7~8割弱、女性6~7割強だと著書にあります。20代といえば、恋を楽しむ年代かと思うのですが、いまの若者にとって「恋愛」はどういうものになっているのでしょうか?
牛窪:トレンディドラマが全盛だったバブル世代が、恋愛至上主義で恋愛は必需品だったとすると、今の20代の若者はSNSやネットゲームなど楽しいことはほかにもたくさんあるし、何よりも優先事項なのは就職活動であり、友人や親とのプチハッピーな時間で、恋愛はあってもなくてもよい“嗜好品”なんです。
08年に発表した『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』(講談社刊)の調査をしていた頃から、若い男性は、傷つくのを避け、恋愛にガツガツせず、等身大以上の夢を見ないという傾向がありましたが、一方で、女性も恋愛に対してクールだなと言う印象を持っていました。さらにここ数年、若い女性たちから、「恋愛は面倒」、「結婚に至らない恋愛はコスパが悪い」という声も聞かれます。