機能性表示食品の届出完了商品は10月30日現在で120品目となった(届出番号は122だが取り下げが2品目あるため)。

 食品の形状を現時点で分析すると、当初は飲料が多かったが、その後にヨーグルトそのものや、お茶のティーパック、スティック粉末、食用油、ソーセージ、ゼリー、飴、そしてサバの水煮缶詰と多彩な形状の加工品が続々と届出完了してきている。さらに、生鮮品の2品目、「三ヶ日みかん」と「子大豆もやし」も届出完了で多様化が目立つ。

 この動向の中、注目されるのが日本水産が、今秋の新商品発表会で公表したEPA、DHAを含む一般加工品12品目についての機能性表示食品として届出だ。この中には缶詰やちくわ、かまぼこ、ソーセージの他、冷凍食品の「白身魚と豆腐のハンバーグ」や「きんぴらごぼう」「ひじきの煮つけ」などが含まれている。

 これらの食材は今回の機能性表示食品に向けて、特別に栄養を強化したり、添加したものではなく、従来の製品に含まれていた機能性関与成分のデータを今回の制度に合わせて整理し、届出をしているという事だ。どれも特別な食材ではない。

 届出の対象となる食品形状が多様化する中で、我々が日常、食している様々な食材に、健康に有益な素材がたくさん含まれているという事が科学的に証明され表舞台に出てきたわけだ。これが、この制度の副次的なメリットといえそうだ。今後、各家庭の食卓で、食品の機能性表示を見ながら食に関する会話が生まれるだけでも、この制度の意義は大きい。

(寄稿:フリージャーナリスト/継田治生)