4月1日にスタートした機能性表示食品制度は半年が経過した。9月29日時点での届出完了商品は95商品(取り下げ1商品含む)になった。内訳をみると、サプリメント形状の加工品が55商品(58.5%)に対して、その他加工品が37商品(39.4%)、農産物は三ヶ日みかん(三ヶ日町農業協同組合)と大豆イソフラボン子大豆もやし(サラダコスモ)の2商品。数の上ではサプリメント形状がやや優勢だが、すでに、その他加工品12商品を届け出ていることを公表している日本水産をはじめ、他にも届出申請中を公言している企業もあり、まだまだこの比率は変わってくる可能性がある。

 サプリメント形状の加工品は錠剤型・カプセル型に集約されるが、その他加工品は飲料をはじめとして、ヨーグルト、ティーパック、食用油、飴と多彩。この分野ではまだまだ面白い形状が出てきそうだ。

 注目の機能性表示は多彩。内臓脂肪・体脂肪、中性脂肪、血中コレステロール、血圧、血糖値、おなかの調子、骨の健康等、特定保健用食品(トクホ)でおなじみの訴求に加えて、関節、目、肌への訴求、さらには便通改善や眠りの改善、緊張感の緩和、疲労軽減、一時的な精神的ストレスの緩和、目と鼻の不快感改善といったような、幅広い機能性が続々と届出が完了してきている。

 安全性の根拠としてはこれまでの食経験=喫食経験が圧倒的に採用されており、喫食経験なしとした商品は現時点では1商品のみ。ただし、喫食経験だけでなく2次情報を併用して合わせ技で安全の根拠とする商品も増えてきた。

 さて、市場では通販系の機能性表示食品が先行している感がある。ある通販企業では機能性表示した商品が、機能性表示する前と比べて5倍の売り上げを達成したという声も聞く。

 一方、小売の流通への影響については、まだ時間がかかりそうだ。「ドラックストアで機能性表示食品専用の棚を作るには、届出完了商品で少なくとも500商品、できれば1000商品はほしい」(日本チェーンドラッグストア協会:宗像事務総長談)といったことから、現在の届出完了のスピードではもう少し時間がかかるかもしれない。

(寄稿:フリージャーナリスト/継田治生)