物事の真理を追究した哲学者の言葉には、心がラクになるヒントがいっぱい。山口大学准教授で哲学者の小川仁志さんが心に響く名言を意訳してくれました。

「うまくいったからうれしいわけではなくて、逆に自分がうれしいからうまくいったのだ」と考えなければならない。(アラン)
*アランにいわせると、イライラするのはうまくいかないからではなく、逆にイライラしていたからうまくいかなかっただけだといいます。確かに、気分が乗っていないと、いい結果は生まれないと感じませんか?

怒りの結果は、それをもたらした怒りの原因よりもはるかに重大である。(マルクス・アウレリウス)
*怒りを我慢するか、怒って後味の悪い思いをするか、まず比較してから怒るといいでしょう。果たして怒るに値することなのかどうか。

どのような人生にも段階がある。価値のある人生こそ平たんなものではなく、山あり谷ありなのだ。(ヒルティ)
*ヒルティによると、人生は平たんではなく、だからこそ価値があるといいます。そう考えると、逆境があるほうが、人生にとってはいいことなんだと思えるはずです。

家庭を不快で暗い雰囲気にしてしまうには、たった1人の楽しまない人がいるだけで十分だ。(ニーチェ)
*ニーチェによると、家族のなかでイライラするのは、誰のせいでもなく、イライラしている自分のせいだということになります。確かに家族のなかに、誰か1人でもイライラしている人がいると伝染しますよね。

人は不満があるとき、夜昼を問わず、暇さえあればそのことばかり考えてしまう。まるで憂鬱な小説が机の上に開いたままになっているかのように、不満を何度も思い起こす。(アラン)
*アランは、怒りを何度も頭の中で逡巡させるのはいけないといいます。いくら考えても仕方ないことをいつまでも考えるから、イライラがなくならないのです。