働く女性は食べることが後回しになりがちで、特に忙しい人ほど栄養バランスが悪い。5人に1人は、生理が3カ月以上止まる無月経を経験─。最近の調査でそんな実態が明らかになった。疲れや不眠、便秘、肌荒れなどの不調は、「食べ方」の問題が原因のことも多い。毎日の食事を意識して取るだけで、不調はなくなり、将来の健康とキレイにつながります!

働く女性は想像以上に栄養不足で疲れている

 仕事で疲れたから甘いものを食べて頑張る、肌の乾燥が気になるから高級コスメに替えてみる、体がなんだか重いから朝食は抜くかスムージーだけ│。こうした対処法は、不調を根本的に解消できないだけでなく、ますます悪化させるという。

「働く日本人女性は、栄養・睡眠・運動の3つが不足しています。世界でも例のないほどに“やせ型”が多く、忙しい人ほど食べ方の問題は深刻です」。こう話すのは、働く女性に食事改善を提案する「まるのうち保健室」のプログラムを監修する細川モモさん。細川さんらが東京近郊で働く20~30代の女性1300人を対象にした調査では、残業時間が長くなるほど朝食を抜きがちで、甘いものやアルコールの摂取量が多かった。やせ型の人(*BMI19未満を算出)は27%、生理が3カ月以上ない「無月経」を経験した人は18%にも。

 ひめのともみクリニックの医師・西澤真生さんも「疲れやイライラ、便秘、肩こり、肌荒れなどの不調を訴える女性は、食べ方に問題がある場合が多い。忙しいからと、食事代わりにお菓子やスムージーを取っていたり、きちんと食べているつもりでも食事量が少なかったりしています」と指摘する。

*BMI (体格指数)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

株式会社デザインメイト / PIXTA(ピクスタ)
株式会社デザインメイト / PIXTA(ピクスタ)

こんな不調、実は食べ方が原因!

● 生理の症状が重い
● 冷え性
● ぐっすり眠れない
● 髪がごっそり抜ける
● イライラまたはうつうつする
● 頭痛もち
● 肌が荒れる、乾燥する
● 疲れやすい
● あざができやすい
● 風邪を引きやすい
● 肩がこる
● 便秘がち

この人たちに聞きました
細川モモさん
予防医療コンサルタント・Luvtell(i ラブテリ)代表理事
両親のがん闘病を契機に予防医学に関心を持ち、米国で栄養学を学ぶ。2009年に医療・健康・食の専門家による予防医療のプロチーム「ラブテリ Tokyo&NY」を発足。14年から三菱地所などが主催する「まるのうち保健室」の運営に携わる。

西澤真生さん
ひめのともみクリニック医師
東京大学医学部卒業。東京大学附属病院分院ほかの勤務を経て現職。クリニック開院時から内科・栄養療法・栄養解析を担当。全国3000人以上のデータを解析し、分子整合栄養医学に基づいた、糖質制限や栄養療法の普及に尽力している。

取材・文/渡辺満樹子、大屋奈緒子

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