まさかの夫のお金トラブルで将来設計が台無し…。そんなことにならないために、結婚前はもちろん、結婚後にも対応できる「夫のお金リスク」への対処法をアドバイス。

相手の金銭感覚を見極めて 夫婦で「貯める意識」を共有

 「付き合っていた頃は気前のいい人だと思っていたけれど、実はただの浪費家だった…ということがないように、結婚前から彼の金銭感覚を見極めることが大事」と、FPの豊田眞弓さん。

 チェックポイントは「収入に見合わないお金の使い方をしていないか」「将来に向けてお金を貯められそうか」の2点。「できれば結婚前から、将来どんな生活がしたいか、それにはいくらお金がかかるかを話し合う機会を持って。結婚後なら今後のマネープランについて夫婦でFPに相談しに行くのもいい。彼に収入や貯蓄額をはっきり聞けなくても、FPとの相談の場でなら開示してもらえるのでは」。

 結婚後は夫婦の収入をまとめて管理するほうがお金は貯めやすいが、「小遣いが足りずに夫がこっそり借金をする」ケースも。

 「夫婦別々にお金を管理するなら、住宅購入費、教育費などと費目別に各自の目標額を決め、貯蓄額を定期的に報告し合うのも手。お互いの自由度も保ちつつ人生プランを共有すると、お金の危機も防げるはずです」。

(C)PIXTA
(C)PIXTA

結婚前に確認すべきこと

01. 彼のお金の使い方に「見栄」や「中毒性」がないか確認
高級レストランでの食事や高価なプレゼントなどの回数が多い人は、見栄でお金を使い過ぎるタイプかも。ギャンブルなどにハマりやすい人も要注意。

02. 彼がキャッシングやカードローンをしていないかチェック
クレジットカードでのキャッシングやローンは要するに借金。彼の家に行ったときに返済の請求書などを目にしたら、お金事情を話し合うきっかけにして。

03. 貯蓄と収入を開示し合い、結婚後のお金計画を話し合う
お互いの収入や貯蓄、借金などを開示しつつ、結婚後の貯蓄計画を立てよう。貯蓄は少なめに申告したほうが相手のやる気を引き出せる場合も。

結婚後に心がけること

01. 貯蓄の目標額を決め、定期的に報告会議をする
「3年後に住宅購入の頭金300万円」など、貯める目標を具体的に立てること。各自で貯蓄しているなら、家計貯蓄用の通帳を定期的に見せ合って報告を。

02. お互いのお金は管理しつつ、締めつけ過ぎない
お金の面で締めつけ過ぎると、キャッシングなどに走ってしまう人も。相手に我慢させ過ぎていないか見極めながら、無理のない金額設定で管理を。

03. 子供ができても仕事を辞めずに自分の収入をキープ
夫の失業や、万が一の離婚などで助けになるのは妻の収入。出産後は時短勤務なども活用してできる限り仕事を続け、自分の経済力を維持しよう。

「離婚したらお金で得する」はまずないと考えて

 「借金漬けの夫と離婚して、やっと借金から解放された」というケースを除いて、離婚して経済状況が良くなることはまずない。共働きの場合、収入が自分の分だけになるので、家計は厳しくなる。特に子供がいて離婚に踏み切るなら、養育費をはじめ夫から受け取ることのできるお金(下記参照)はしっかり請求したい。協議離婚なら必ず「離婚合意書」を作成し、それを公正証書にしておこう。公的に受給できるお金も調べて、もらい損がないように。

この人に聞きました
豊田眞弓さん
ファイナンシャルプランナー
個人相談業務、講演、コラム執筆などで活躍。All About「マネー」ガイド。老後や介護、離婚のお金問題に詳しい。『離婚を考えたときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)など著書多数。

取材・文/村越克子

「これ以上の情報をお読みになりたい方は、日経WOMAN誌面でどうぞ。」

■ 雑誌(紙版と電子書籍版)
日経BP書店で購入する
AMAZONで購入する
楽天ブックスでで購入する
セブンネットショッピングでで購入する
日経ストアで購入する
全国の書店、コンビニエンスストア、駅売店、ネット書店で購入できます。