目的に合わせて「預貯金」か「投資」か決めていく

 また、「どうしたいか」「どうなりたいか」といった目的からお金の貯め方を考える、とはどんなことか、具体的な例でお話ししましょう。

「お金の貯め方は“目的”から考えることが大切」と久富さん
「お金の貯め方は“目的”から考えることが大切」と久富さん

 誌面でも少し触れていますが、例えば「老後のためにお金を貯めたい」が目的なら、 iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)という、それに適した、税制面での優遇制度があります。iDeCoでは投資信託を積み立てていくのが一般的ですので、方法が決まってから「投資信託ってどんなもの?」というふうに、金融商品の知識をつけていけばいいのです。

 あるいは、会社員で勤務先に「持株会(もちかぶかい)制度」がある場合。私は株式投資も基本的に長期投資がおすすめだと考えているので、老後資金づくりのために持株会への加入を検討する方法もあると思います。ここでも、老後資金という目的があったうえで、「では、株式投資とは?」と、次のステップとして知識を深めることができるわけです。

 私は、お金を貯める選択肢の中に「預貯金」があるのも自然だと思います。やりたいことが定まっていて、その目的をかなえる金額を着実に貯められるのであれば、定期預金でもいいでしょう。無理に投資をしてリスクを取る必要はありません。

 ただ、もう少し資産の金額を大きくしなければならないとしたら、少しリスクを取って投資の力を借りると実現可能になるかもしれません。「夢を諦めなくて済むかもしれない」選択肢としての、投資という手段を知っておくことも大切です。