収入はあるけれど、残業ばかりで疲れ切り、人生に余裕がないと嘆く人も。実は、「お金がたくさんある=幸せ」ではない! 本当に豊かな人生のバランスって? お金の話を中心に、家計の専門家に聞きました。

持続可能な家計管理は時間と心の余裕がポイント

 「十分なお金があることを“豊か”と考える人もいるかもしれませんが、これまで1万人以上の家計を見てきた立場からすれば、それは必ずしも正しくありません」と言うのは、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。貯蓄ひとつ取っても、年収1000万円以上の世帯が、案外、貯められていないことも。一方で、年収300万円で家族4人が幸せに暮らしている家庭もとても多いそう。「私から見れば、後者のほうが、持続的に豊かに暮らせる人たちだと思います」。

 大切なのは、収入ではなく「家計のバランス」だと横山さん。目安となる家計の割合と「消費・浪費・投資」に分けるお金の使い方を教えてくれた。ポイントとなるのは、「浪費」と「投資」。「家計管理は持続性が大切で、無理をしては続きません。そのためには、浪費で適度に息を抜くことが大切。そして、投資によって、将来お金を増やすことを考える必要もあります」。

 また、心身の健康につながるお金の使い方も重要なポイントだ。「収入が高くても、自由になる時間が少なく、気持ちに余裕がないと、知らない間にお金を使ってしまうし、心身の健康を害して、医療費がかかってしまうことも。それよりも、収入のなかでやりくりしつつ、自分の時間も確保している人のほうが、“豊かさ”を感じやすい。家計を見直す時間と心の余裕もあり、結果的に貯蓄できます」。

 たくさん働いて収入を得たい、とにかく節約して、その分貯めたい…。将来に備えて無理する人もいるかもしれない。けれど、「お金のために時間を削る生活は、長く続けると破綻する可能性も高くなる。お金と同様に、時間も『消・浪・投』で考えましょう。お金と時間とのバランスが取れれば、健康的な生活が送れるはずです」。

(C)pixta
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まずは見直し! お金が貯まる支出バランス

下は、横山さんが考える、理想の支出のバランスの割合。「この数字はあくまでも目安で、手取り月収や家族構成、家族の年齢によって理想の割合は若干変化します。ただ、理想の割合から大幅に離れすぎる項目があれば、見直しの対象としましょう」。「MY理想の金額」に、今の手取り月収をもとにして、費目ごとに計算して書き込もう。

この人に聞きました
横山光昭さん
家計再生コンサルタント
ファイナンシャルプランナー、マイエフピー代表取締役。独自の家計再生プログラムで、これまでに1万人以上の赤字家計を再生。著書に『おひとり様を生き抜く「女子貯金」生活』(祥伝社)などがある。

取材・文/吉田明乎

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