今、話題のキーワード「自律神経」。自律神経を整えることこそが、心身ともに健康に保つカギだとわかってきました。そこで今号では、自律神経のケア法を徹底的にご紹介。原因不明の不調を解決する手がかりも、見つかります!

 なんとなく「調子が出ない」日があったり、「何をやっても調子がいい」日があったり……。読者調査では、そんな好調・不調の波に、「自律神経が関係している」と感じている人が多かった。実際、この波を左右するメカニズムの一つに自律神経がある。

 自律神経とは、興奮・緊張させる「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」が、環境や状況に合わせて体内の働きを調節するしくみ。20年以上、自律神経の研究を続けてきた順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、「自律神経のバランスが整っていることは、健やかな体と心の“土台”となる」と、力説する。

 自律神経の働きが整えば、体の調子も良く、心もスッキリ。一方、バランスが乱れると、不調に悩まされやすくなるという。

自律神経が乱れると体と心に不調をきたす

・不眠、イライラ
・PMS、更年期不調
・疲れ、だるさ、冷え
・免疫力の低下
・便秘、太りやすい

 現代は、便利な一方でストレスにさらされる機会が多くなっている。夜遅くまでスマホの明るい光にさらされ、自宅でも仕事のメールがチェックでき、気持ちが休まらない……。そんな環境から、「現代人はどうしても交感神経優位になりやすい。

 自律神経のバランスが乱れた結果、さまざまな不調が現れる。女性が最も気になるのは、お腹がぽっこり出る便秘や肥満だろう。「胃腸の働きを促す副交感神経が低いと、便秘になりやすい」(小林教授)。

 また、免疫力も落ちる。「自律神経のバランスによって、免疫細胞のバランスも変わることが明らかになっている。交感神経が優位なままだと、ウイルスやがん細胞に立ち向かうリンパ球が減ってしまう」とハーバード大学医学部の根来秀行客員教授は話す。

この人達にききました
小林弘幸教授
順天堂大学医学部
順天堂大学医学部卒業後、海外留学などを経て同大小児科外科講師、助教授を歴任して現職。同大に日本初の便秘外来を開設し、自律神経と腸の研究を進める。自律神経ブームの立役者で、関連著書多数。

根来秀行客員教授
ハーバード大学医学部
医学博士。パリ大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、事業構想大学大学院理事・教授。東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了。腎臓、自律神経、体内時計、長寿遺伝子について国際的に研究を進める。睡眠アプリ「S l e e pdays」を監修、自律神経測定デバイスの開発にも携わる。

取材・文/熊 介子、白澤淳子(ともに編集部)、写真/鈴木 宏、スタイリング&立体制作/椎野糸子
ヘア&メイク/依田陽子、モデル/殿柿佳奈、デザイン/ビーワークス

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