脂肪でたるんだお腹、ポッコリ下腹……そんなお腹の悩みの原因は、“縮んだ筋肉や筋膜”にありました。多くのモデルやタレントのお腹やせを手がける理学療法士が考案した、寝るだけで筋肉のゆがみが整う「T字タオル」とタイプ別マッサージでペタンコお腹に!

 「お腹をへこませるには、まず硬く収縮したお腹や胸まわりの筋肉を伸ばすことが大前提」と話すのは、人気モデルやタレントの“駆け込み寺”として知られるダイエットサロン・ソリデンテ南青山院長の小野晴康さん。「長時間の座り姿勢やスマホ操作などで胸やお腹、股関節の筋肉が縮むと、筋膜が引っ張られて内臓の位置が下がり、脂肪もたまりやすくなる」(小野さん)。

 その縮んだ筋肉を一気に伸ばすために小野さんが考案したのが、“T字タオル”。「3分ほど上に寝るだけで筋肉がゆるみ、その後のマッサージの効果が飛躍的にアップする」(小野さん)。

 続いて行う、お腹の筋肉や脂肪にアプローチするマッサージのコツは、「イタ気持ちいいと感じるくらい強い力で行うこと」。そして、血管や神経を圧迫する硬い筋肉を“押す”、筋膜を“押し流す”、脂肪をつぶすように“つまむ”手技を使い分ける。「お腹の脂肪のつき方は、筋肉が硬くなった部位やその原因で異なる。原因に合うマッサージで確実な効果が狙える」(小野さん)。あなたのお腹タイプを見極めて、さっそく始めよう!

 「体が温まったお風呂上がりがベストタイミング」(小野さん)。

厚手のバスタオルを縦半分に折って筒状に巻いたものを2つ用意し、T字に並べる。高さの目安は10cm。崩れやすければひもで縛って。

STEP1 まず、腹ペタの土台を整える【3分寝たままストレッチ】

マッサージ前に約3分、縮んだ筋肉をゆるめよう。ストレッチがしんどいときは、タオルの上に寝転ぶだけでもいい。

(1) T字の中心に体を合わせ、横向きのタオルの上にお尻の真ん中(坐骨のやや下)をのせる。

(2) 両腕で体を支えながら、縦向きのタオルの中心が背骨に沿うように、上体を倒していく。

(3) 両手足を伸ばし、ひざを曲げずに伸びる。腕が上げづらい人は体の横で楽な位置に。

(1) 筋肉・筋膜が収縮したままでマッサージの効果が現れにくい
筋肉が縮んで血流が停滞し、筋膜も引っ張られたままだと、脂肪が排出されにくく、マッサージの効果も出にくい。

(2) 筋肉・筋膜のゆがみを取りながらマッサージするので効きやすい!
縮んだ筋肉がゆるんで全身のバランスが整う。引っ張られていた筋膜もゆるみ、脂肪が排出、燃焼しやすい“質のいい筋肉”に変化。

STEP2【お腹のタイプ別 寝たまま腹ペタマッサージ】

お腹のタイプは「皮下脂肪タイプ」「便秘・内臓脂肪タイプ」など全部で4つ。チェック表で当てはまる項目が最も多いタイプのマッサージを行おう! 手持ちのクリームやオイルで手の滑りを良くして、指の腹を使うのがポイント。爪が長い人は手袋や軍手を使うといい。月経中も痛みがなければ行ってOK。熱がある、風邪などの体調不良時はお休みして。

皮下脂肪 タイプ

「横隔膜とそけい部の間に皮下脂肪がたまってセルライト化した、女性に多いタイプ。硬くなった横隔膜と腸腰筋をゆるめて血流を促すポンプ作用を高めながら、重力で下がった脂肪細胞をつぶすマッサージを」(小野さん)。

両手をグーに握り、恥骨の上に押しつける。力を加えたまま、肋骨に向けてお腹を縦に伸ばすように5回押し流す。2セット繰り返す。
※ グーに握った手の第2関節を当てる

両手の親指を骨盤の出っ張りの内側に沿わせ、力を入れて3回プッシュ。下半身の血流を妨げる硬い部分は回数を増やして、特に念入りに行おう。
※ 親指の腹全体を使って押す

へそ下全体の皮下脂肪をギュッとつかみ、肉を引きはがすように強くもんで離すのを繰り返す。脂肪をつぶすイメージで10回行う。
※ 親指と人さし指、中指の3本ではさむ

この人に聞きました
小野晴康さん
ソリデンテ 南青山院長
理学療法士、柔道整復師、義肢装具士。リハビリ医療に従事ののち、理学療法の理論と技術を駆使した独自のマッサージ「ミオドレナージ」を考案。その効果が話題となり著書も大ヒット。近著に『ミオドレ式ダイエット枕』(講談社)。

取材・文/オカモトノブコ 写真/鈴木 宏 スタイリング/椎野糸子 モデル/大塚まゆり ヘア&メイク/依田陽子

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