シミが増えた。ほうれい線が目立つようになった。とはいえ、スキンケアとメイクにこれ以上お金も時間もかけられない。そんな人こそ知っておきたい、老けない肌のキーワードは、「ストレス」。国内外の研究で、「心身の緊張」や「睡眠不足」などの心理的ストレスがシミやニキビ、シワといった肌トラブルや老化を進めることがわかってきました。実際、老けない肌の人は、ストレスケアに力を入れていたことが判明。肌をこする、もむといった「物理的ストレス」をなくすことも重要といいます。カンタン、効率的で、すぐ真似できる習慣だけをご紹介します。
<肌の老化を防ぐにはスキンケアとメンタルケアの両方が必要!>
老けない肌になりたいけれど、できるだけ手間もお金もかけたくない。本当に効果があることは何か。「老けない肌」の5人が「肌のためにしている習慣」から、共通する5つの習慣とそのポイントを紹介します。
美肌の美容家や女医は、高い化粧品や美容医療など、美容に時間もお金もかけている印象があるだろう。ところが、老けない肌の5人が毎日しているお手入れは、意外なほどシンプル。なぜなら、肌のアンチエイジングには「できる限り触らない」ことで、物理的ストレスを減らすことが大切だからだ。
「化粧品に期待できる2大効果は、乾燥と光老化対策。保湿と日焼け止めは必要だが、皮膚に残りやすい日焼け止めやシミの原因となるこすり刺激など、皮膚への負担を減らすことも重要」と、東京工科大学応用生物学部の前田憲寿教授はいう。
実際、老けない肌の5人に共通するスキンケアのポイントを見ると、スチーマーや蒸しタオル、日傘やのむ日焼け止めなど、肌に直接触れずにできることを数多く習慣に取り入れている。
一つ一つはカンタンで、毎日でもおっくうにならないことを続ける。そんなちょっとずつの努力が、老けない肌につながる。
美肌習慣・1・スキンケア:洗顔
こすり刺激を減らす
摩擦と皮脂の落としすぎを防いでシミ、シワを解決
美肌習慣・2・スキンケア:保湿
目の下ゾーンに1点集中
乾燥、くすみを消して顔全体の肌ツヤ感を高める
美肌習慣・3・スキンケア:美白
塗る&のむ日焼け止めで紫外線ダメージを減らす
浴びたらその日に美白ケアシミとたるみを防ぐ
美肌習慣・4・メンタルケア
良質の睡眠を7~8時間好きなこと、楽しい時間を増やす
ストレスマネジメントで肌バリアを改善ニキビ、赤み、肌老化も軽減
美肌習慣・5・インナーケア
糖質を減らし、たんぱく質、野菜と“いい脂”を欠かさない
糖化・酸化ストレスを減らしてくすまない、しぼまない
そうした「物理的ストレス」を減らす一方で、5人に共通するのは、睡眠不足や心身の緊張など「心理的ストレス」を減らすことに、かなりのエネルギーを注いでいることだ。
ストレスを感じているとニキビができやすかったり、肝斑(かんぱん)が濃くなったりするのは、いずれも、心理的ストレスによって放出されるストレスホルモンが影響しているという報告がある。
また、ストレスや睡眠不足があると、皮膚トラブルは回復しにくくなるという。「季節の変わり目や冬場になると、皮膚表面の脂質や角層のセラミド、角層細胞内のNMF(天然保湿因子)などが減少し、皮膚のバリア機能が障害される。これに精神的ストレスや睡眠障害が加わるとバリア機能の回復が遅れ、水分保持機能も低下する」と、皮膚科医で東邦大学客員教授の向井秀樹さん。老けない肌の5人が、ストレスケアに熱心なのもうなずける。
本誌では、5人それぞれの美肌習慣を紹介する。ヒントを見つけて、1年で最も肌の老けを感じやすい秋に向けて、準備を始めよう。
取材・文/編集部、写真/鈴木希代江、スタイリング・立体作成/椎野糸子
ヘア&メイク/薄葉英理(ロッセット)、モデル/MAO、デザイン/ビーワークス
「これ以上の情報をお読みになりたい方は、日経ヘルス誌面でどうぞ。」