体の4カ所の「くぼみ」を押すだけで、硬くなった筋肉がほぐれて血流が良くなり、太ももやお尻、お腹まわりの脂肪がぐんぐん落ちやすい体質に変わっていく、マッサージがあります!お尻が上がり、脚も細くなります。

 運動をしても脂肪が落ちない。太ももにぼこぼことしたセルライトがある。お尻やお腹はぷよぷよ――。そんな体の脂肪に悩む人は、「体の“くぼみ”を押して、硬くなった筋肉を柔らかくするだけで、脂肪がラクに落ちるようになる」と話すのは、理学療法士の小野晴康さん。

 「筋肉が硬いと、筋肉に挟まれた血管やリンパ管が圧迫されて流れが悪くなる。すると余分な脂肪が排出されにくくなり、どんどんたまっていく」(小野さん)からだ。

 くぼみを押すだけで、なぜ筋肉が柔らかくなり、余分な脂肪が減っていくのか。

 くぼみとは、複数の筋肉の端部が集まる、いわば“筋肉の交差点”。「筋肉は、端部を刺激するとゆるむ。そけい部やひざ裏など大きな関節の近くにあるくぼみを押すと、複数の筋肉が柔らかくなる。血液やリンパの流れが良くなり、余分な脂肪が落ちやすくなる」(小野さん)。

 カギは、「ちょっと痛い」くらい強めに押すこと。「気持ちいいくらいでは、硬い筋肉はほぐれない」(小野さん)。みぞおち押しで全身の代謝を高めてから、ほかのパーツも行おう。正しく続ければ、1週間ほどで脂肪が燃えやすい体に!

ここを押す! 余分な脂肪を落ちやすくするスイッチ「下半身の4大くぼみ」

くぼみを押すと余分な脂肪が減るわけ

「くぼみ」とは、筋肉の端部や血管の交差点。強めに押せば筋肉がほぐれて脂肪の排出が促される。
上の4つのくぼみは、筋肉の端部が集まるところ。大きな関節の近くにあるくぼみには、太い血管やリンパ管が通っている。「くぼみが硬く緊張していると、血流などの循環障害が起きやすい。老廃物が滞ると、余分な脂肪がたまっていく」(小野さん)。強く押すことで、皮膚の深部にある小さい筋肉もゆるめよう。

余分な脂肪を減らす 「くぼみ」の押し方

Step1・強めに押す

イタ気持ちいいくらい強く垂直に押し込む
ひざ裏やそけい部などのくぼみに指を押し込み、筋肉に強めの圧をかける。筋肉の緊張が一気にほぐれ、全体が柔らかくなる。血流が良くなりむくみがとれ、動きやすくなることで脂肪も燃えやすくなる。

Step2・押し流す

筋肉の中の老廃物、脂肪を押し流す
筋肉にたまった余分な脂肪などの老廃物をかき出すイメージで、筋肉の走行に沿って強めの力で押しながらこする。深部の筋肉まで届くように強く刺激することが大事。

“第3の心臓”をほぐしてくびれ出現、お腹ぺたんこ! みぞおち押し

 肋骨の一番下の骨の際に指を押し込むようにして、みぞおちを刺激しよう。姿勢が悪く胸郭が縮むと、ここが硬くなる。すると、肋骨の底面にある横隔膜の動きが制限されて、呼吸が浅くなりやすい。「横隔膜がほぐれて動きが良くなると、お腹はもちろん、全身の血流が良くなり、脂肪が燃えやすくなる」(小野さん)。

Step1 強めに押す・みぞおちを押して代謝を高める

肋骨の際を強く押す
お腹の上、肋骨の下側にあるくぼみがみぞ落ち。肋骨の1番下の骨の際を指で押すと、横隔膜の動きが良くなる。

親指以外の4本の指を、肋骨の一番下の骨の際に当てる。指で強く押しながら体を前に倒し、指を押し込んで5秒キープ。

Step2 押し流す・わき腹、お腹の前側を押し流す

わきの下からおへその横に向かって強くこする
くびれを削り出すように、わきの下からおへその横に向かって、手のひら全体に力を入れて斜めに5回こする。反対側も同様に行う。

おへそを中心に円を描くように強めにこする
両手を重ねておへその右側に当てる。大きく円を描くように力を入れながら時計回りに5回こする。

みぞおちにある横隔膜は「第3の心臓」
“第2の心臓”といえばふくらはぎだが、みぞおちにある横隔膜は、第3の心臓だという。「横隔膜の動きが良くなると呼吸が深くなり、全身の代謝が上がる。脂肪は燃えやすくなり、冷えなどの不調も改善しやすい。血流が良くなって、肌も明るくなる」(小野さん)。また、上半身と下半身の境も、みぞおちにあるそう。「お腹が硬い人は脚が太くなりやすく、腕が硬い人は顔がむくみやすい」(小野さん)。
この人に聞きました
小野晴康さん
ソリデンテ南青山院長(東京都渋谷区)
理学療法士、柔道整復師。理学療法の観点からミオ(筋肉)ドレナージ(老廃物の排出)マッサージを考案。『本気でやせたければ筋肉をほぐしなさい』(講談社)など著書多数。

取材・文/やまきひろみ、羽田 光(編集部) 写真/鈴木 宏 スタイリング/椎野糸子 ヘア&メイク/依田陽子 モデル/原 歩美 イラスト/三弓素青 デザイン/Jupe design

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