UVケアをしていても、汗崩れ焼けで効果が台無しになることも多い夏。確実に紫外線をカットしながら、ほてりによる乾燥を防ぐテクとお薦めプチプラコスメを、化粧品の研究開発の経験を持ち、コスメの効果に詳しい小西さやかさんが指南!

真夏に肌は老ける! その原因は“最強紫外線”

「肌の老化の約8割が紫外線によるものと、米国皮膚科学会などで言われている」(小西さん)。そのメカニズムと対策を知っておこう!

 強烈な紫外線が降り注ぎ、かつ暑さで大量の汗をかくこの時期。まず気をつけたいのが「汗崩れ焼け」だ。朝、日焼け止めなどを塗っても、汗で流れたままでは紫外線の影響は免れない。

 「紫外線を浴びると、皮膚の中で活性酸素が発生し、細胞がダメージを受ける。肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンなどを分解する酵素の産生も進み、結果、シワやたるみが生じやすくなる」と、コスメコンシェルジュの小西さやかさん。

 特に8月頃は、メラニンを増やしてシミの原因となるUVBの量が1年で最大。「UVBは表皮に炎症を起こし、バリア機能を低下させる要因になる」(小西さん)。そこで生じるのが「ほてり乾燥」。炎症による肌荒れや、乾燥による小ジワなどが悪化しやすくなる。

 こうした“夏老け”を防ぐには、汗崩れ焼けとほてり乾燥、それぞれの対策が欠かせない。ケチらず使えて効果も高い「安くていいコスメ」を使った、30秒でできる簡単ケアをご紹介!

夏老けを食い止める!朝昼夜の30秒ケア

朝昼の紫外線対策と、夜のほてりを抑える保湿ケアは必須! 30秒でカンタン、しかも効果抜群の“なまけ美容”テクを小西さんが伝授。
朝昼はUV カット効果のあるBB クリーム、夜はオールインワンジ ェルを。いずれも1000円台で入 手できるコスパの良さも魅力
朝昼はUV カット効果のあるBB クリーム、夜はオールインワンジ ェルを。いずれも1000円台で入 手できるコスパの良さも魅力

今、対策しないとシミ、シワ、たるみは気づかない間に進行する!

一年で最も紫外線の量が多く、強度も高い今の時期。汗や皮脂の量も増えるため、UV対策をしても崩れやすい。いかに対策するかが老け肌を防ぐカギ。

東京の「日最大UVインデックス(皮膚に赤い日 焼けを生じさせる紫外線の強度)」を1997年か ら2008年まで平均化した月別グラフ。青は「弱い」、黄は「中程度」、赤は「強い」を示す
東京の「日最大UVインデックス(皮膚に赤い日 焼けを生じさせる紫外線の強度)」を1997年か ら2008年まで平均化した月別グラフ。青は「弱い」、黄は「中程度」、赤は「強い」を示す

汗崩れ焼け

シミ、たるみの原因に
汗崩れによって日焼け止めがムラになったり落ちたりすると、紫外線が肌の奥まで侵入し、シミやたるみの原因をつくり出す。

UVAは真皮に到達し、 コラーゲンやエラスチンを変性させ、シワや たるみを引き起こす。 UVB はメラニンを増 加させ、シミの原因に
UVAは真皮に到達し、 コラーゲンやエラスチンを変性させ、シワや たるみを引き起こす。 UVB はメラニンを増 加させ、シミの原因に

朝昼の30秒ケアで対策!

朝・薄重ね塗りで塗り残しを阻止
BBクリームで肌を整えながら紫外線カットを。より確実に紫外線を防ぐことができる「薄重ね塗り」を実践しよう。

昼・なまけ塗り直しでUV効果&ツヤ肌キープ
汗崩れしたままにしておくのは紫外線対策のうえでもNG。メイクオフと塗り直しが同時にできるムダなし!「なまけ塗り直し」がお薦め。

ほてり乾燥

小ジワ、肌荒れが進む
UVBは表皮にダメージを与え、炎症を引き起こす。肌のターンオーバー(新陳代謝)を乱し、バリア機能も低下させる要因に。

細菌やアレルゲンなど の刺激物質が侵入しや すくなり、かゆみや赤 みなどの肌荒れが起こりやすくなる。乾燥に よる小ジワも進行
細菌やアレルゲンなど の刺激物質が侵入しや すくなり、かゆみや赤 みなどの肌荒れが起こりやすくなる。乾燥に よる小ジワも進行

夜の30秒ケアで対策!

夜・寝るだけパックで炎症を鎮めて保湿
水分と保湿成分を豊富に含むオールインワンジェルでパックして寝るだけでOK。お薦めコスメと方法は本誌をチェック!

この人に聞きました
小西さやかさん
コスメコンシェルジュ
東京農業大学食香粧化学科客員准教授。日本化粧品検定協会代表理事。大手メーカーにて化粧品の研究・開発に携り、累計10万種を超える化粧品を評価してきた経験と、化学科修士としての視点を生かし、幅広く活躍中。

取材・文/やまきひろみ 写真/鈴木 宏(人物)、スタジオキャスパー(商品) ヘア&メイク/薄葉英理(ロッセット) スタイリング/椎野糸子 モデル/MIKA イラスト/三弓素青 グラフ/増田真一 デザイン/mill design studio

「これ以上の情報をお読みになりたい方は、日経ヘルス誌面でどうぞ。」

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