ビールのお供というイメージが強い枝豆。実は未熟な大豆だと知っていますか? 大豆だからたんぱく質が豊富なうえ、脂肪燃焼に欠かせないビタミンを含む、優秀なダイエット食材なんです!

 これまで、食事の内容を変えるダイエットを1200人以上に指導してきたという、薬剤師の坂田武士さん。基本的に食事の改善を中心に指導し、体脂肪を減らして筋肉を増やすことに成功しているという。

 坂田さんのダイエット指導で、特にお薦めしている食材が、「枝豆」だ。ダイエット中の間食をすべて枝豆に替えるように指導しているという。

 なぜそんなに枝豆がいいの?「枝豆にすると筋肉の材料となるたんぱく質が補えるのだが、動物性のたんぱく源と比べて、余計な脂肪や糖質をとらなくてすむ。また、枝豆は栄養面では野菜にも近く、脂肪代謝や糖代謝に必要なビタミンなどの補酵素がとれる」(坂田さん)。

 ダイエット中は間食禁止、と思いがちだが、坂田さんはたんぱく質不足を補うため、むしろ薦めるという。「三食で十分なたんぱく質をとるのは難しい。いわゆるお菓子を間食でとるとカロリーオーバーにつながるが、枝豆ならたんぱく質の不足分を補える」(坂田さん)。

 実際の食事指導で、「体重・体脂肪が減少したが、筋肉は増えたというケースを複数確認している」と坂田さん。また、海外の研究では、高たんぱく質な食事を半年以上続けることで、体脂肪が減ったという報告もある。

 早速、今日から「おやつに枝豆」ダイエットに挑戦しよう!

そもそも枝豆とは?
枝豆は大豆と同じ植物でたんぱく質が多い
マメ目マメ科ダイズ属の大豆が熟す前の青いうちに茎ごと切り取ったものが枝豆と呼ばれる。栄養学の分類では大豆は豆類、枝豆は野菜類に分類される。たんぱく質は大豆と同等で、ビタミン類を含む点が大きな違い。
※大豆アレルギーがある人は避けること。

「おやつに枝豆」ダイエットのルール

1. 間食をすべて枝豆に替える
朝昼晩の食事については特に制限はないが、間食はすべて枝豆に替えよう。外出先や仕事場にも持参しよう。

2. 手のひら1杯分をめどに上限なし
間食として食べる枝豆は、1 日で手のひら山盛り1杯をクリアしよう。上限はなし。好きなだけ食べていいが、就寝前1時間は避けよう。

3. 塩分は抜く
総菜として販売される枝豆は、塩が振ってあるものがほとんど。「塩分はむくみの原因になる。ダイエット中は避けたい」(坂田さん)。 塩抜きが必須。ゆでる場合も塩は入れない。

枝豆ダイエットのQ&A

 枝豆ダイエットで食べたい枝豆の量は、1日に手のひら山盛り1杯(約200g)。たんぱく質量は、約12gになる。「女性の1日のたんぱく質の目標量は50g。その約2割を間食で満たすことができる」(坂田さん)。初めこそ甘いおやつが恋しくなるかもしれないが、腹持ちがいいので、余分な間食が欲しくなくなる。今回枝豆ダイエットに挑戦した読者モニターは、「枝豆の甘みに気づいたら、お菓子が欲しくなくなった」という。

 枝豆ダイエットに欠かせない枝豆は、生の枝豆をゆでて作るのがベスト。ただし、枝豆をゆでる際には塩を加えないこと。ゆでる時間がないという人は冷凍や市販品などで代用してもいい。塩味で味付けされた枝豆の場合は、塩抜きをして食べよう。

 このダイエットは1週間以上続けることで、効果が実感できる。「たんぱく質不足が解消され、冷えなくなり、疲れにくくなる」(坂田さん)。

 続けるうち、どうしても枝豆に飽きてしまったときは、たんぱく質が豊富な食材を組み合わせてもいい。ゆで卵やチーズ、サラダチキン、ギリシャヨーグルトなど、コンビニなどで手に入る商品が手軽でお薦めだ。

Q 冷凍・冷蔵の枝豆は塩分が含まれている。塩抜きってどうすればいい?

A. 真水に漬けて10~15分置けばOK
気温や湿気の高いこれからの季節は、食材冷凍食品やコンビニエンスストアなどで売られている冷蔵の枝豆は、塩が振られているものがほとんど。枝豆ダイエットの場合、塩分はむくみの原因になるので避けたい。ザルに入れ、真水に漬けて10~15分置き、塩分を抜こう。

Q 夏場に持ち歩くときの注意点は?

A. 凍ったまま持ち出そう。午後に食べる分は冷蔵庫へ
気温や湿気の高いこれからの季節は、食材の持ち歩きには十分に注意が必要。外出先に持って行く場合は、あらかじめ冷凍しておこう。会社に冷蔵庫や保存庫があれば、そこで保存するのがお薦め。

Q 真水でゆでた枝豆の保存法は?

A. 冷めたらすぐに「冷凍」しよう
枝豆は水分含有量が多い。冷蔵庫でも1~2日なら持つが、お薦めは小分けにした後に冷凍庫で保存する方法。いざ食べるときは、今の季節なら、冷凍庫から出して5~10分放置すれば、そのまま食べられる。

この人に聞きました
坂田武士さん
サムライフ代表
薬剤師、予防医学士。昭和大学薬学部卒業。製薬会社のMR、特別養護老人ホームの施設長などを経て、2009年にサムライフを設立。医療・介護の経験を生かし、予防医学、エイジングケアを目的としたカウンセリングを行う。8月に初の著書発売を控える。

取材・文/別所あやこ、熊 介子(編集部)、写真/今清水隆宏、スタイリング/タカハシユキ

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