水が欠かせない季節になってきました。水にハーブやフルーツを加えて作る「フレーバーウオーター」は、夏場の水分補給のほかにも、お通じ改善や不調解消といった様々なプラスアルファの効果が期待できます。

 水に香りや味のついた飲料、いわゆるフレーバーウオーターが、人気を集めている。

 「フレーバーウオーターは、自宅で作るのがお薦め」というのは、スーパーフードなど海外の食事事情に詳しいフードクリエイターのWOONINさん。「市販のフレーバーウオーターには甘みが足されていることも多い。自家製なら糖分ゼロで作れるから、カロリーも気になりません。香りや味がほんのり水に移るので、リフレッシュになります。海外では、家庭でフレッシュミントなどを水に入れて飲むことが多いですね」。真水を飲むのが苦手なら特に、風味が加わることで飲みやすくなるため、夏場の水分補給にピッタリだ。

 水は、体の60%を占める重要な構成要素。利尿作用によって老廃物を排出するデトックス作用や疲労回復、便秘を改善するといった働きもある。

 食品の機能成分に詳しい広島大学大学院教育学研究科の松原主典准教授は、「フレーバーウオーターには、使用したハーブや果物に含まれる水溶性ビタミンやアントシアニンなどのポリフェノールが溶け出すと考えられる」と話す。 WOONINさんは「むくみが気になるときはカリウムの豊富なメロンやスイカ、シャキッとしたいときはミントなど、体調の変化に合わせて手軽に組み合わせを変えられるのもメリット」とアドバイスする。

フレーバーウオーターを効かせる飲み方は → 1日500ml

夏場にとりたい水分量は、1日1.5Lが目標といわれる。その3分の1、500mlをフレーバーウオーターに替えてみよう。果物に含まれるビタミンやポリフェノールなども一緒に取り込むことができる。フルーツとハーブの組み合わせも楽しめる。

夏のフレーバーウオーターに【ハーブ&フルーツ】

「ベランダ菜園のハーブや季節のフルーツなどを自由に選んでみて」(WOONINさん)。オレンジやベリーを入れれば見た目も華やぐ。

爽快感アップ【ミント】
シソ科のハーブ。清涼感のあるさわやかな香りが特徴。水との相性はバツグンで、「欧米では最もスタンダードな食材です」(WOONINさん)。香り成分メントールは、熱産生を促して代謝を高める働きも。

解毒力はピカイチ【パクチー(香菜)】
セリ科のハーブ。体内の毒素を排出する解毒作用のほか、消化を促す作用がある。「香りは水にすぐ移り、口の中もスッキリする効果があります」(WOONINさん)。リラックス効果も期待できる。

ビタミンCたっぷり【オレンジ】
抗酸化作用を持ち、コラーゲンの生成を促すビタミンCを含む。白い部分はヘスペリジンを含み、血流を促す作用が。「輸入品は農薬が気になるため外側の皮をむくのがお薦めです」(WOONINさん)。

むくみ対策にはこれ【メロン】
ウリ科。カリウムを多く含み、体内の余分な塩分を尿として排出する作用を促し、むくみとりにお薦め。「ほんのり甘みが感じられ、アメリカでは定番の材料の一つ」(WOONINさん)。

使い勝手バツグン【冷凍ベリー】
赤い色素成分で抗酸化力の強いアントシアニンを多く含み、目の健康に役立つ。「フレッシュより冷凍のほうが色や香りが出やすい。一晩置いてもいい。おもてなしやパーティーにも向きます」(WOONINさん)。

フレーバーウオーターの作り方

1. 材料と水を用意する
ハーブはやさしく洗い、手でちぎる。オレンジなど輸入物のかんきつ類は、外側の皮をむく。メロンなど大きめのフルーツは、一口大の薄切りに。好きな水も用意する。

2. 水に漬けて適宜置く
ジャーなどに1の材料を入れ、水を注ぐ。すぐにでも飲めるが、一定時間置く場合は蓋をして冷蔵庫で保存し、2日以内に飲み切ろう。飲み切った後は数回水を足してもいい。

冷凍ベリーなどフルーツは50g前後を目安にしよう。ハーブは香りが強いものもあるので少量から試して。パクチーなら2~3本がお薦め。冷やしたいときは氷を入れてもいい。

最も簡単なのはカットフルーツ
スーパーなどで並んでいるカットフルーツを使えば、さらに簡単だ。「一度に数種類のフルーツがとれて便利。忙しい日でもフレーバーウオーターを楽しみたいときにぜひ」(WOONINさん)。

この人に聞きました
WOONINさん
「R.A.W. raw food atelier woonin」主宰
スーパーフードクリエイター

ニューヨーク市立大学ハンター校卒業。スーパーフードやローフードを取り入れた料理教室を主宰する。企業の商品開発や雑誌のレシピ開発など幅広く活躍。著書に『まいにちスムージー100 』(主婦の友社)など。

取材・文/松岡真理、写真/鈴木正美、スタイリング/タカハシユキ、デザイン/ディッシュ

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