ドラッグストアにたくさん並ぶ便秘薬。どれも同じと思っていませんか? 実は、成分によって作用が全く違うんです。便秘薬の選び方と使い方を、経験豊富な薬剤師が指南します!

 「便秘の原因で最も代表的なのは、腸内環境の乱れ」。こう指摘するパル薬局菅生店(川崎市宮前区)在宅部長で便秘に詳しい薬剤師の三谷(みつや)徳昭さんは、「まずはサプリメントなども活用しつつ、食生活を改善して腸内環境を整えることが大切」と続ける。

 そうはいっても、食生活はすぐには変えられないもの。そんなときにまず使う便秘薬は「便を軟らかくする薬」だ。「便秘の人の多くは便が硬くなっているので、便の水分量を増やして軟らかくするマグネシウム薬が基本。麻子仁(ましにん)末などの生薬オイルを含むものもお薦め」(三谷さん)。

 それでも出なければ「腸を動かす薬」へとステップアップ。このタイプの成分には、腸内細菌で活性化され、やさしく腸を刺激するピコスルファートナトリウムなどがある。

 なお、お腹が痛い、吐き気がするなどの緊急を要する症状がある場合は、とにかく「出す」ことが最優先。10~15分で効く浣腸や坐薬を。

 万一、ここで紹介した便秘薬が「全く効かない場合は、腸の病気の可能性も。消化器科で診察してもらって」と三谷さんはアドバイスしている。