薄毛と白髪は、見た目年齢をぐんと上げる原因。両方の予防に有効なのは、髪を育てる毛根を元気にすること。そして、気になりはじめたら“早めのケア”こそが大切。プロ直伝のオイルマッサージと、自宅での白髪ケア方法をご紹介。

髪のボリュームが減る、白髪が気になる……髪のエイジングをストップ!

 加齢による老化を除いて、女性の薄毛で最も多いのが、生えている毛髪の本数が減る「慢性休止期脱毛」。

 「髪は毛周期と呼ばれるサイクルで成長し、必ず数年ごとに生え替わるが、休止期が長くなって新しい毛が育たず薄毛になる」と、銀座ケイスキンクリニックの慶田朋子院長。もうひとつは、主に遺伝に関わる「FAGA(女性男性型脱毛症)」で、「男性のAGAと同様、男性ホルモンの作用で、細く短い毛に変わる」(慶田院長)。

 一方、白髪の原因は色素をつくるメラノサイト(色素細胞)の機能の低下と、メラノサイトを供給する色素幹細胞の枯渇にある。基本的に治療は難しいが「メラノサイトが休止して白髪になっている場合は、色素幹細胞が残っていれば黒髪に戻る可能性がある」(慶田院長)という。

 薄毛、白髪は加齢や遺伝も大きくかかわるが、「まずは栄養状態を整えること」と話すのは、松倉クリニック&メディカルスパ育毛外来の田路めぐみ医師。「特に若くて薄毛に悩む人は栄養不足のケースが多い。栄養を的確に補給して心身の調子を整えるだけで薄毛が改善する人も少なくない。意識してとりたいのが鉄、亜鉛、ビタミンC、たんぱく質。バランスの良い食事を心がけて」と助言する。

 栄養補給と頭皮のケアは、早く始めるほど髪の老化予防に効果的だ。本誌では、頭皮の血行を促して頭皮を健やかに保つオイルマッサージをご紹介。

この人たちに聞きました
慶田朋子院長
銀座ケイスキンクリニック院長(東京都中央区)
最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、「切らないハッピーリバースエイジング」をかなえる美容皮膚科医として多くの患者に信頼されている。美肌に役立つスキンケアなどのわかりやすい解説にも定評がある。

田路めぐみ医師
松倉クリニック&メディカルスパ(東京都渋谷区)
育毛外来を担当。形成外科・再建外科医としても活躍。従来の育毛薬の処方や治療だけでなく、栄養、ホルモンの観点からも診療し、根本的な治療を目指す。

取材・文/渡辺満樹子

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