肌がくすむ、シミが気になる、毛穴が目立つ。ちょっとした刺激で赤みが出る……。それは“隠れ炎症”が原因。放っておくと、肌の老化を加速させます。しかも、今まで「常識」とされてきたケアでは抑えきれないこともわかりました。「日経ヘルス」ではセルフケアから美容医療まで、最新で、かつ1週間で確実に肌悩みを解決する簡単な方法を探りました。2分のスキンケアで、あなたの肌が生まれ変わります!

「いまある肌悩み」の上位7つがこれ。「老けて見える 要因」を聞いた設問では、ほうれい線(66.8%)、シ ワ(66.1%)、シミ(60.3%)の順番に多かった。 <br>調査概要:2016年1月18日〜2月15日の29日間、「日経 ヘルス」「日経ウーマンオンライン」の読者を対象にウェ ブで調査
「いまある肌悩み」の上位7つがこれ。「老けて見える 要因」を聞いた設問では、ほうれい線(66.8%)、シ ワ(66.1%)、シミ(60.3%)の順番に多かった。
調査概要:2016年1月18日〜2月15日の29日間、「日経 ヘルス」「日経ウーマンオンライン」の読者を対象にウェ ブで調査

 シミ、クマ、ほうれい線、毛穴……。こうした肌悩みの原因に“隠れ炎症”があることがわかってきた。

 “炎症”とは、細菌など侵入した異物を排除するための防御反応で、赤く腫れたり熱を持ったりする。強い紫外線を浴びて肌が赤くなるのも、肌内部で発生する活性酸素や過酸化脂質によって細胞が傷ついて起こる“炎症”。それが蓄積することで肌は老化していく。

 “隠れ炎症”は、気づかないくらい弱い微弱炎症が起きている状態。日焼けしない程度の紫外線を浴び続けることなどで起き、シミやたるみなどの肌老化を進める。「微弱炎症を起こしているのにその意識がなく、そのままにしている人は多い」と、皮膚科医の津田攝子さん。

 紫外線や乾燥は、隠れ炎症の原因だが、最近、新たにブルーライトや近赤外線など紫外線以外の光が、肌のより深くまで届いて“隠れ炎症”を起こすことが明らかになった。

 また、排気ガスやPM2.5などの大気汚染物質が肌老化を進めることも注目されている。佐賀市で診療を行う津田さんは、「PM2.5による影響か、昨年は肌荒れを訴える人が特に多かった」と話す。さらに、「隠れ炎症があると、酸化や糖化といった、たんぱく質を変性させて肌老化を早める反応も進みやすい」(東京工科大学の正木仁教授)。

 隠れ炎症を防ぐには、この「光」と「大気汚染物質」をブロックすること。同時に「まずは正しい保湿で肌のバリア機能を高めることが基本」と、今回取材した専門家は口を揃える。


隠れ炎症の要因
Fact-1・紫外線、近赤外線、ブルーライト
紫外線以外の光もシミ、くすみを招くと判明
対策は…
● UVクリームは500円玉大ほど塗る。
● 外に出るなら、日中、1回以上塗り直す。
● 紫外線以外の光にも効果がある日焼け止めを選ぶ。

隠れ炎症の要因
Fact-2・乾燥、PM2.5
大気汚染物質も肌を老化させる
対策は…
● 乳液など油分を含む化粧品で、しっかり保湿。
● 花粉や大気汚染物質の付着を防ぐ(日焼け止めを塗るなど)。
● 帰宅したらこすらないように洗顔して落とす。

隠れ炎症の要因
Fact-3・摩擦
こすり刺激やマッサージもシミの原因に
対策は…
● スキンケアやメイク時にこすっていないか改めて点検。
● ほおに当たる髪は落ちないように留める。
● 目の下をぬぐうなど顔の触り癖をやめ、ほおづえも控える。

もう一つの肌老化の原因
表情筋の衰え
対策は…
● ほおを上げて「ニカッ」と笑うなど顔を動かす。
● 紫外線対策をしっかり行う。
● 筋肉が減らないように、たんぱく質をしっかりとる。

この人たちに聞きました
津田攝子さん
津田クリニック副院長(佐賀市)
皮膚科専門医。豊富な臨床経験と皮膚科学の知識を活かした診療に定評がある。自身も肌トラブルに悩んだ経験からドクターズコスメの開発も手がける。
http://www.tsuda-cosme.com

正木 仁教授
東京工科大学応用生物学部先端化粧品コース
光老化や角層細胞について研究する。紫外線の影響で角層のたんぱく質が酸化すると、表皮の保湿機能が落ち、さらに酸化と乾燥が進むメカニズムを解明。

取材・文/西山裕子、中野恵子(編集部) 写真/佐々木 俊 スタイリング/椎野糸子 ヘア&メイク/依田陽子
モデル/松嶋恵里

「これ以上の情報をお読みになりたい方は、日経ヘルス誌面でどうぞ。」