座りっぱなしで運動不足、便意が起こってもなかなかトイレに行けない。そんな生活だと便秘になりがち。腸内の悪玉菌も増えてしまいます。そこでお薦めなのが、「腸活ヨガ」。「揺らす」「ねじる」「伸ばす」という腸に必要な3つの動きで、腸が元気に動き出す!

 お通じがスムーズに出ない、便秘のせいでお腹が張ったり痛んだり、というお悩みを抱えている女性も多いはず。これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた新宿大腸クリニックの後藤利夫院長は、「もともと筋肉が少ない女性は腸管の筋肉が薄く、腸のぜん動運動が弱くなりやすい。さらに座り仕事によってお腹を長時間圧迫すると、腸が下側に折りたたまれるようになり、さらに動きが悪くなる」という。特に腸が大きくカーブする部分には「便が詰まって停滞しやすい」と、後藤院長。「便が詰まり停滞時間が長引くほど、便は水分を失い、硬く出にくい便に。腸内も腐敗が進み、悪玉菌が優勢となる」(後藤院長)。

 便秘を治すには、とにかく腸の動きを良くすることが肝心!そこで「腸活ヨガ」を考案してくれたのが、ヨガ&エクササイズディレクターの森和世さんだ。「『揺らす』『ねじる』『伸ばす』という3つの動きで腸を全方位から動かすと、腸がほぐれ、お通じやガスもすっきり出るようになったと実感する人が多い」と森さん。朝、昼、夜、各1分で行うことができ、全身の凝りもとれる気持ちいい動きばかり。ぜひ始めよう!

下垂した腸を元の位置に戻し、リラックス姿勢で安眠を促す!
体を伸ばして腸をリセット
下垂した腸を元の位置に戻し、リラックス姿勢で安眠を促す!<br> <span class="pink_6F4 size14">体を伸ばして腸をリセット</span>
日中のうちに下垂してしまった腸を、伸ばす動きによって、正しい位置に戻そう。伸ばす動きによって便が腸内を移動しやすくなる。体がリラックスモードになり、ぐっすり眠れる!
緊張で固まりがちな腸に、ダイナミックな刺激を入れる
体をねじって、腸の動きを活発に!
緊張で固まりがちな腸に、ダイナミックな刺激を入れる<br> <span class="blue_09c size14">体をねじって、腸の動きを活発に!</span>
仕事によって緊張すると交感神経が優位になり、腸の動きが停滞。また、座り姿勢によってもお腹が圧迫され、腸の動きが悪くなる。ねじる動きをこまめに加えて腸を動かそう。
夜通し働いた腸が仕事を総仕上げ!
体を揺らして、腸にスイッチを入れる
夜通し働いた腸が仕事を総仕上げ!<br> <span class="pink_c66 size14">体を揺らして、腸にスイッチを入れる</span>
睡眠中、人間は休んでいても腸は休みなく動き、ぜん動運動で便を送っている。朝一番に腸をゆらゆら揺すると、直腸に便が自然に移動して朝一番のお通じがスルリと出やすくなる。

お腹と太ももで押し合い、腸にたまったガスを出す
朝 ゆれるガス抜きのポーズ

<b>両手で両ひざを抱える</b><br> あおむけの状態で、両手で両ひざを抱える。深い呼吸を意識しながら、お腹と太ももで押し合い、腸のガスを排出するよう意識する。
両手で両ひざを抱える
あおむけの状態で、両手で両ひざを抱える。深い呼吸を意識しながら、お腹と太ももで押し合い、腸のガスを排出するよう意識する。
<b>片脚ずつひざを抱える</b><br> 両ひざを抱えるのがつらいときは、無理をしないで。片脚ずつひざを抱えながらゆらゆら揺らし、左右交互に行うといい。
片脚ずつひざを抱える
両ひざを抱えるのがつらいときは、無理をしないで。片脚ずつひざを抱えながらゆらゆら揺らし、左右交互に行うといい。
<b>ゆっくり左右に揺らす</b><br> 左右にゆっくり、ゴロゴロと体を揺らす。徐々に腸が動き、おならがしたくなったら効いている証拠。1分ほどゴロゴロし続けよう。
ゆっくり左右に揺らす
左右にゆっくり、ゴロゴロと体を揺らす。徐々に腸が動き、おならがしたくなったら効いている証拠。1分ほどゴロゴロし続けよう。
<b>抱えた脚を引っ張るように</b><br> 左右でゴロゴロするのに慣れたら、前後にゴロゴロ揺らしてみよう。抱えた両ひざを胸に引きつけるようにすると、スムーズにゴロゴロできる。
抱えた脚を引っ張るように
左右でゴロゴロするのに慣れたら、前後にゴロゴロ揺らしてみよう。抱えた両ひざを胸に引きつけるようにすると、スムーズにゴロゴロできる。
この人たちに聞きました
後藤利夫さん
新宿大腸クリニック(東京都渋谷区)院長
大隈鹿屋病院内視鏡センター長などを経て現職。独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査を開発、全国各地の医療機関で無痛内視鏡検査を実践、指導する。著書『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)。

森 和世さん
ボディクエスト
ヨガ&エクササイズディレクター

誰でも簡単・効果的に実践できるワークアウトコンテンツを多数提供。スタジオやスポーツクラブなどでヨガインストラクターとしても活躍。明るくていねい、かつ心身の一体感を重視する指導が高い評価を得ている。

取材・文/柳本 操 写真/稲垣純也 スタイリング/中野あずさ(biswa.) モデル/津山祐子
ヘア&メイク/依田陽子 デザイン/ビーワークス

「これ以上の情報をお読みになりたい方は、日経ヘルス誌面でどうぞ。」