よくかむ食材を使って、自宅で簡単に作れるレシピを紹介。調理のポイントをしっかりと押さえて、かみ応えを残そう。

 よくかむ食材に、かみ応えを残す調理法を組み合わせれば、かむ回数を増やしてゆっくり食べられる。柳沢教授に聞いた調理のポイントは3つ。1つ目は、食材を大きめに、繊維に沿って切ること。2つ目は加熱しすぎないこと。いずれも、食材そのもののかみ応えを残す調理法だ。3つ目は水分を少なくすること。水分を吸収する煮物よりも、炒め物や焼き物、揚げ物のほうがよくかむ。(※ かむ回数の調べ方は、編集部員3人が料理を試食。ひと口当たりのかんだ回数を数え、その平均を割り出した。)

よくかむための調理のポイント

(1) 繊維に沿った切り方に

野菜は繊維を断ち切るのではなく、繊維に沿って切るといい。また、細かく切りすぎないことでもかみ応えを残せる。

キャベツを千切りにするときは、包丁が葉脈や芯に沿うようにして切る。
キャベツを千切りにするときは、包丁が葉脈や芯に沿うようにして切る。
左がレンコンの繊維を断ち切る切り方。右のように縦割りにしよう。
左がレンコンの繊維を断ち切る切り方。右のように縦割りにしよう。
ゴボウは左のように輪切りにすると繊維が切れてしまう。右のように縦割りにする。
ゴボウは左のように輪切りにすると繊維が切れてしまう。右のように縦割りにする。
(2) 加熱時間を短く

食材は煮るよりも炒めたり焼いたりするほうがかみ応えが残る。加熱時間はやや短めに。

(3) 水分を少なめに

だしやスープ、ソースなど、水分が多い料理はあまりかまずに飲み込めてしまう。水分が少ない料理がお薦め。

この人に聞きました
柳沢幸江教授
和洋女子大学 家政学群健康栄養学類
女子栄養大学大学院博士後期課程修了。博士(栄養学)。2007年から現職。専門は、食品物性・テクスチャーと咀嚼性との関連。「かみごたえ早見表」を発表するなど、かんで食事をすることの大切さを栄養的視点・食事学的視点から研究している。

取材・文/平野亜矢(編集部)、撮影/三村健二、レシピ作成・調理・スタイリング/タカハシユキ

日経ヘルス2015年2月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります