2015年も残りあとわずか。今年は4月に放送されたTBS系ドラマ『天皇の料理番』、現在放送中の『下町ロケット』、そして好調の『あさが来た』と上半期、下半期ともに話題作に恵まれた年でした。『あさが来た』出演中の波瑠さん、ディーン・フジオカさんはこの作品で大ブレイクしましたが、おふたりの他に今年ブレイクした俳優・女優を2回に渡って特集したいと思います。

2015年は若手実力派の演技が評価された年

 ブレイクした俳優というと「彗星のごとく現れた」新進気鋭の俳優というイメージがありますが、2015年は地道な活動を続けてきた若手俳優が評価され、主役を掴んだ年と言えます。その1人が、2014年の朝ドラ『花子とアン』で主人公に片思いする幼なじみを演じた窪田正孝さんです。

 窪田さんは1988年生まれの27歳。デビューは2006年で、朝ドラには『花子とアン』だけでなく、2010年の『ゲゲゲの女房』に水木しげるさんのアシスタント役として出演しています。

 窪田さんは2015年7月に放送された日本テレビ系のドラマ『デスノート』で主役を演じ、その怪演ぶりが大きな話題となりました。『デスノート』は初回こそ注目され同時期の民放連ドラ最高視聴率16.9%を記録しましたが、徐々に視聴率がダウン。しかしネット上で「主役の迫力が凄まじい」「表情、声色を自在に変化させるので、目が離せない」と窪田さんの演技を絶賛する声があがり、一度落ち込んだ視聴率はV字回復しました。

 コンスタントにドラマや映画に出演し、その演技が評価されながらもこれまで準主役が多かった窪田さんですが、この作品をきっかけに名実ともに主役級の俳優になったと言えるのではないでしょうか。

「菅田将暉」って読めますか?

 窪田さんと同じく、昨年から引き続き活躍し、今年ドラマ数本で主役を演じたのが菅田将暉(すだ まさき)さん。名前がすんなりと読めなかった方も、ホットペッパービューティーのCMでインド人と踊るサラリーマン、auのCM「三太郎シリーズ」でチャラ男の鬼ちゃんを演じていた俳優といえばお分かりでしょうか。きりりとした眉と切れ長の二重が印象的な菅田さんは1993年生まれの22歳。役柄に合わせて金髪や丸刈り、おかっぱなどに挑戦し、作品ごとに雰囲気ががらりと変わる個性派俳優ですが、デビューのきっかけは正統派の美男子を輩出するジュノン・スーパーボーイ・コンテストです。

 菅田さんは2008年のコンテストでファイナリストに残ったことから芸能界入り。翌2009年のドラマ『仮面ライダーW』にて、ライダー史上最年少で初主演を果たします。2013年に、劣悪な家庭環境に置かれた高校生を演じた主演映画『共喰い』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その演技力が高く評価されました。さらに2013年の朝ドラ『ごちそうさん』では主人公夫婦の息子役としてドラマの終盤から出演。菅田さんも「朝ドラブレイク俳優」のひとりと言えます。

 2014年には映画『海月姫』で能年玲奈さんの相手役の女装男子を熱演し、本物の女性と見まごうほどの美貌が話題に。2015年5月のNHKドラマ『ちゃんぽん食べたか』では青年期のさだまさしさん、7月のテレビ朝日系ドラマ『民王』では遠藤憲一さん演じる総理大臣の父親と中身が入れ替わる息子役として、ともに主演を務めました。出演作を重ねるごとに演技力を高め、素朴な青年や荒れた若者、売れないホストまで演じ分ける実力派に成長した菅田さん。2016年は主演の1本を含め5本の映画の公開が決まっており、更なる活躍が期待されています。