真冬の装いに華やかさや遊び心をプラスしてくれるファー素材。今、とりわけ人気を集めているのが人工のエコファーなのだそう。その理由と魅力を、ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんに解説してもらいます。

HEURUEH 2018-19年秋冬コレクション
HEURUEH 2018-19年秋冬コレクション

 人工のエコファー(フェイクファー)人気が盛り上がっている。動物由来のリアルファーではなく、化学繊維で作ったファー風素材だが、技術が進み、本物と区別がつかないほどの質感に進化している。最近は商品のバリエーションも一気に広がり、さまざまな形や色を選べるようになってきた。ニューヨーク発のブランド「HEURUEH(ハウルー)」の新作を手掛かりに、手軽に華やぎをまとえるエコファーの取り入れ方を押さえていこう。

いいことづくめのエコファーの魅力とは?

HEURUEH 2018-19年秋冬コレクション
HEURUEH 2018-19年秋冬コレクション

 エコファーは世界的に脚光を浴びている素材だ。一番の魅力は着心地の軽さ。リアルファーのような、肩にずしりとくる重たさとは無縁だ。それに加え、商品価格を含め、デイリーに使いやすい点も支持率が高い。天然のリアルファーに比べ手入れが楽な上、カビが生えにくいから、自宅で安心して保管できる。染色しやすい化学繊維なので、色・柄のバリエーションも豊富だ。

 NYで2015年に設立された「ハウルー」はPETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会、People for the Ethical Treatment of Animals)に承認を受けたファーフリー素材だけを使用。動物の命を犠牲にしない「クルエルティフリー」を掲げている。

 2018-19年秋冬コレクションは、旅行で訪れた街や、旅先で出会った人々からインスパイアされた。「Real People Faux Fur(Faux Furはフェイクファーの英語表現)」をテーマに、エコファーの魅力を打ち出している。