トレンド6「スポンテニアス」

J.Crew 2016-17秋冬NYコレクション
J.Crew 2016-17秋冬NYコレクション
J.Crew 2016-17秋冬NYコレクション
J.Crew 2016-17秋冬NYコレクション
DEREK LAM 10 CROSBY 2016-17秋冬NYコレクション
DEREK LAM 10 CROSBY 2016-17秋冬NYコレクション
DEREK LAM 10 CROSBY 2016-17秋冬NYコレクション
DEREK LAM 10 CROSBY 2016-17秋冬NYコレクション

 これまでは割と奇抜や大胆に見えた着こなしが「当たり前」のスタイリングに軟着陸する。従来のルールやセオリーが当てはまらない、着る人主体のスポンテニアス(自由奔放、その人任せ)な操り方が広がる。もはや性差やシーンを意識しない「ニューノーマル(新しい当たり前)」の出現だ。「何でもあり」が合い言葉。でも、混沌を避けるきわどいバランスがこなれ感を生む。あえて場の空気を読まないスリリングなアレンジが芯の強いキャラクターを引き寄せる。

 かしこまったスーツを捨てて、上下そろいではあるものの、もっとデザインの自由度が高いセットアップに乗り換えるのもスポンテニアス流の選択だ。統一感を微妙に崩す「はずし」が力みを遠ざける。縦長シルエットのチェスターコートは、かえって残りのアイテムでの冒険に誘う。アウターできちんと感を出しつつ、その他のパーツで遊ぶさじ加減だ。パジャマ風ののどかなウエアはサプライズ感が高い。アニマル柄や東洋的モチーフも着姿を華やがせる。

今年の秋冬は「ルール」がない!

 6大トレンドを見渡して感じられるのは、「ルールの消滅」。型にはまった着こなしを退屈に感じさせるような、いい意味で「自分本位」のスタイリングを促すムードが強まってきた。単に決まり事を破るのではなく、自分らしさを物語る「マイルール」が求められるこの秋冬は、おしゃれの可能性を広げるチャンスになりそうだ。

文/宮田理江 画像協力/ブランドニュース