キャリアウーマンのファッションはさまざまですが、より“敏腕”に見せたいとき、あなたはどうしますか? 映画に登場するファッションを例に、宮田理江さんが解説します。覚えておくべきファッションキーワードがたくさん登場するので、しっかりチェックしてください!
『ニュースの真相』のケイト・ブランシェットのキャリアルック
米国の大手テレビ局を舞台にした映画『ニュースの真相』で、オスカー女優のケイト・ブランシェットは切れ者プロデューサーを演じている。圧力や社内抗争に立ち向かう敏腕製作者役にふさわしい着こなしは大人っぽいキャリアルックの新ロールモデルと映る。芯の強いイメージを引き寄せるスタイリングのポイントを、場面写真からキャッチしていこう。
ニュートラルカラーを操る
タフな仕事人のメアリー・メイプス(ブランシェットが主演)は強烈なリーダーシップを発揮するが、服装は逆に主張が強すぎないトーンを選んでいる。
必要以上に出しゃばらない立ち位置を象徴するのは、ベージュやグレー系のニュートラルカラー。癖がない分、本人の意見やキャラクターが引き立つ。薄いオリーブグレーのニットトップスに、ベージュ色のジャケットをオン。静かな色のコンビネーションを組み上げている。
黒や白と違って、穏やかなムードも漂う。交渉や説得にあたる立場の場合、このような雰囲気のほうがスムーズに話を進めやすいこともある。
オフィスでは白シャツを見慣れているが、メアリーが選んだのは、ベージュ系の無地シャツ。ボトムスは黒パンツでクールに引き締めた。白シャツと黒パンツのコンビはありきたりに見えがちだが、シャツをベージュに差し替えるだけで、着慣れた風情に。人気報道番組の制作現場にふさわしい、行動的でりりしい着姿になった。
正面にきちんと折り目の付いたパンツがシャープな印象を添えている。シャツは、パリッと糊を利かせたコットンシャツではなく、しっとり質感のとろみシャツがフェミニンを宿らせている。ジャケットをオフして、1枚で着ても様になるから、つやめきや落ち感を備えたシャツは職場で映える。袖口を浅めにロールアップした小技もシャツ姿にこなれ感を生んでいる。