ワントーンにさわやかさを添えて

 スーツや上下セットアップ、そしてオールインワンなど、服全体が同じトーンの装いでは、靴の役割が一段と大きくなる。ムードをきっちりそろえてもいいが、白スニーカーを投入すれば、別の気分を呼び込める。白スニーカーは持ち前のさわやかさに加え、気取りのなさや自然なリラックス感も引き寄せるから、ワントーンの主張をやわらげる「引き算力」を発揮する。

 格子が大きめのチェック柄オールインワンも、白スニーカーに助けられて角が取れた。ブラウンのライダースジャケットを肩掛けしている割に、ゴツく見えすぎないのも、白スニーカーのおかげだ。

宮田さんのワンランクUPアドバイス

 白スニーカーが装い全体の緊張感をそぐ「ハズしシューズ」だと分かれば、使い道のアイデアが次々に浮かぶ。レースのワンピに合わせてもいいし、ジャケットルックにも好相性。整いすぎを防ぐ「ずらし」の切り札としてキャスティングすることによって、手持ちワードローブの出番が増える。オフィス専用と決め込んでいた服のデイリー使いにも道を開くから、この春夏はまず白スニーカーを履くと決めて、後付けで服をイメージする「シューズファースト」のスタイリングを試してもらいたい。

文・写真/宮田理江