◆コンパクト×ボリューム

 目立ちやすいアウターの存在感をいかに薄めるかというのが、冬ルックで意識したい点だ。動きを出すには、ボリュームを操る手が使える。たとえばファーアウターにミニ丈タイトスカートといった具合に、量感の差を際立たせるアレンジだ。狙い目は「コンパクト×ボリューム」のずれ加減。大ぶりネックレスにミニバッグという相反するマッチングもリズムを呼び込む。フレーム大きめのサングラスや、膝まで隠すロングブーツなどもあちこちで「ボリューム落差」を生んで、装いに起伏をもたらしてくれる。

 今回取り上げた4つのテクニックに共通しているのは、ありきたりの正直な着方を少しずらすという点だ。上からベルトを巻いたり、3枚重ねにしてみたりといった、セオリーをちょっと踏み出したアイデアが着映えに意外感を添える。大冒険の必要はないが、前を開けるとか、袖をまくり上げるといった程度のチャレンジで、アウターの重たさを遠ざけられるのだから、取り上げたテクをいいとこ取りして、冬ルックを軽やかに見せていこう。

文・写真/宮田理江