結婚、出産や夫の転勤など様々な事情で退職し、家族との時間を大事にして専業主婦に徹してきたけれども、子どもも手がかからなくなった今、新たなキャリアを見つけたい。パートや非正規で働いたりしてきたけれども、そろそろフルパワーで仕事を始めたい。多くの女性が40代からキャリア人生を再スタートさせています。

 社会も40代専業主婦の「社会復帰」を応援しています。アベノミクスでは女性活躍推進を経済成長戦略の一つとして掲げていますし、人手不足に悩む企業では女性の雇用にも積極的になってきていて、女性向けの就職支援サービスも増えるなど、追い風も吹いています。

 この連載では、40代からキャリアを再スタートしたいあなたに向けて、何から始める? どんなスキルがあるといいの? といった様々な疑問に専門家がアドバイス。主婦向けの人材サービスを展開する株式会社ビースタイルを訪ね、しゅふJOB総研所長川上敬太郎さんに、今どきの主婦の再就職事情をお聞きしました。

川上敬太郎
●プロフィール
株式会社ビースタイル
しゅふJOB総研所長 兼 ヒトラボ編集長
川上敬太郎さん


大手人材サービス会社にて、責任者として営業企画・新卒派遣・人材紹介部門の立ち上げを行う。転職後は人材サービス会社にてマーケティング部執行役員部長、業界専門誌を発行する出版社にて営業推進部部長 兼 月刊人材ビジネス編集委員などを歴任。現在は株式会社ビースタイルにて、しゅふJOB総研所長 兼 ヒトラボ編集長。主婦層の雇用創出事業に携わる傍ら、コラム・フェイスブック等を通じて人材サービス業界への意見提言を行っている。
写真=Graphs/PIXTA
写真=Graphs/PIXTA

 離職前にどれほどキャリアを積んできても、一度会社を辞めてしまうと、もう以前のキャリアを生かして働くことはできないのが、今までの常識でした。しかし、それもちょっと前までの話。今は、専門性の高いスキル、ハイキャリアを持つ“エグゼクティブ主婦”が、短時間や在宅でもその能力を生かして働けるような人材サービスも登場しています。その一つが、前職の年収が500万円以上で、管理職、企画職、専門職に就いていたエグゼクティブ女性を対象にパートタイム紹介・派遣を行う弊社サービスの「時短エグゼ」です。

 アベノミクス効果もあり、今、多くの企業が基盤づくり、態勢づくりに力を入れて行こう、と力を入れ始めているようで、企業から人事、法務、広報、総務、財務、経理、PR、マーケティング…といった分野の専門スキルのある人材のニーズが高まっています。そんな中で、特に人材確保の難しい中小企業、スタートアップベンチャーなどから、「働き方を柔軟にするので、ぜひ優秀な主婦の方に来て欲しい」という希望が寄せられています。そうした需要を専門的なスキルのある主婦の方とマッチさせるためのサービスが出てきているのです。

 このようなサービスにより、「以前は大企業の広報PRとして朝から晩までバリバリ仕事をしていた私。出産と同時に退職し、今はペースダウンして週3回、10時から16時までベンチャー企業で広報PRの仕事をしています」「企業の法務担当としてキャリアを重ねてきたけれど、親の介護で辞めることになり、在宅で書類や申請書のチェックなど法務知識を生かした仕事をしています」など、家庭に軸を置きながら前職で身につけた高い専門的スキルを活かすという働き方も可能になってきているのです。