前職でのキャリアを振り返ろう

 “エグゼクティブ主婦”ではなかった人も、最近では、以前のように「主婦=ゼロからのスタート」ではなく、前職で得た専門的な知識や能力、経験は、採用側が評価する要素のひとつとなってきています。そこで重要になってくるのが、「前職でどのようなキャリアを重ねてきたか」ということです。

 短期間であっても、「専門的な知識や能力が求められる仕事に就いていた」「責任ある仕事を任され目標を達成した」「新しいプロジェクトの立ち上げにチャレンジした」など、主体的に仕事に関わり、密度の濃い経験を重ねてきた人は、プラスに評価されます。逆に、「与えられた仕事をなんとなくやってきただけ」という人は、例え長いキャリアがあったとしても、高い評価には結びつかないかもしれません。

 20代の頃に仕事に打ち込んだ経験が、40代以降にキャリアを再開する際にも生かせるようになってきたのです。といっても、必ずしも華々しい成果が無ければいけない、というわけではありません。「地道にコツコツと仕事に取り組んでいた」「職場の人たちが働きやすいように自分なりに工夫していた」など、どんな風に仕事に向き合って働いていたのか、当時を振り返り、自分自身を言葉にして表現することが求められるように思います。

再就職、長続きするのは?

 再就職ができても、なかなか続かない…という人もいます。「勤務地が少し遠いけど、仕事内容や待遇がいいから、少し無理して働こう」などと、勤務時間や勤務場所などに無理をして働き始めてしまうと、やはり長く働き続けることが難しい傾向にあるようです。長続きする人は、「必ず5時までには帰宅したい」などと、自分の中で譲れない条件をきちんと押さえた上で働いている人が多いように思います。また、夫や子どもに理解、協力を求め、家事などの時間もうまく調整して、毎朝きちんと出勤する、その覚悟ができるかどうか、ということも大切です。

 主婦に特化した人材サービスを10年以上やってきた中で感じるのは、一度、家事や子育てといった自分以外の人のことを大事に思って暮らす専業主婦を経験しているからこそ、わかること見えてくるものがある、ということです。再就職を果たし、「若いころであれば、理不尽に感じられた上司の言葉も優しく受けとめられるようになった」「お客様の立場でものを考えることができるようになった」、「自分のことだけでなく、全体を見て考えられるようになった」と話す人もいます。このような部分は主婦の長所、強みと見ることもできると思います。

 再就職希望の主婦を取り巻く状況は徐々に整いつつあり、これからますます働きやすくなっていくはずです。再就職を考えているのであれば、今がチャンス!まずは情報を集めるところから、動き始めてみてください。