この連載では、美術館や博物館に併設されたミュージアムショップを紹介。美術館のコンセプトや展示物にまつわる書籍や資料、オリジナルグッズやコラボグッズ、ギフトに最適なグッズも見つかります。知的好奇心をくすぐられることもしばしば。第16回は、渋谷の大型複合文化施設Bunkamura内にある美術館「ザ・ミュージアム」に併設された「ミュージアムショップ ナディッフモダン」をご紹介します。

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企画展に合わせたグッズを展開

 渋谷にある東急百貨店本店に隣接する、大型複合文化施設Bunkamura。ここには映画館「ル・シネマ」や、美術館「ザ・ミュージアム」、コンサート・オペラ・バレエ用のホール「オーチャードホール」などがあり、アートやカルチャーの発信地として知られています。今回紹介するのは、その「ザ・ミュージアム」に併設されたミュージアム・ショップ「ミュージアムショップ ナディッフモダン」。多くのミュージアムショップを手掛けるNADiffが経営しています。(NADiffが手掛ける 東京都現代美術館の記事もご覧ください!)

 「ザ・ミュージアム」は、最近ジョセフ・バンクスの作品を所蔵したものの、基本的には所蔵コレクションを持たない美術館なので、企画展の内容が変わるごとにセレクトショップ的な感覚で商品展開を変えているそうです。

 「ザ・ミュージアムは若いお客様はもちろん、ご年配のお客様も来てくださるので、そういった方たちにも喜んでいただけるような品揃えを心掛けています。常に人気なのが花柄や名画をあしらったクリアファイル。値段は手頃ですし、お友だちへのお土産としても重宝していただいているようです」と話してくださったのは、店長の相澤早季さん。

 現在は、「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」展を開催中。「休日に風景画を描くため外出するような“日曜画家”も訪れるのではないかと。そこで、老舗の画材屋『月光荘』のスケッチブックやカバン、クリップなどをご紹介しています」(相澤さん)

 ザ・ミュージアムの企画展に合わせた品揃えは、商品の動きを毎日チェックし、日々ディスプレイを更新しているのだとか。現在開催中の「風景画の誕生」展では、ハプスブルク家に関する書籍などが大変人気で、関連書を膨らませるなど、企画展が始まってからも流動的に売場作りをおこなっているそうです。

 「企画展が自分にとって専門外の分野のときは、初心者として一から勉強し、お客様の目線に立って、どんなことに興味を持つか、どんなことを知りたいかを考えるようにしています。自分自身の、『ここをもっと深く知りたい』という感覚を大切にしていきたい。当ショップはザ・ミュージアムのチケットがないと入れないので、気軽に立ち寄って…というわけにはいかないんですね。なので、美術館と深くリンクしているものが、他のミュージアムショップよりも求められているのではないかと思います」

 店長の相澤さんは、同じ地下1階「ガーデンフロア」にある「ブックショップ ナディッフモダン」も担当しています。こちらのブックショップは、チケットなしで利用可能。海外の美術書や写真集、アートグッズなどを扱っています。

 Bunkamuraのザ・ミュージアムを訪れた際は、併設のナディッフモダンとともに、NADiffの世界観がぎゅっと詰まったブックショップにも立ち寄ってみてください。

※ミュージアムショップの利用には、美術館のチケットが必要です。