星野源に似ていると話題の鰻さんと、ツッコミの橋本さん

 銀シャリの漫才の特徴は、しゃべりが主体の古典的な漫才であるということです。

 「漫才でしゃべりが主体なのは当たり前じゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし実は、漫才にもいろいろな形があるのです。最近では、漫才の途中で一つの設定に入り、それぞれが何らかの役柄を演じる「漫才コント(コント漫才)」をやる人も増えてきています。

 そんな中で銀シャリは、あくまでもしゃべりにこだわり、二人の間の言葉のやりとりだけで笑いを取ることを信条としています。

 幅広い年齢層のお客さんが訪れる劇場に出ている彼らが漫才の題材にするのは、シンプルで分かりやすいものばかり。ボケ担当の鰻和弘さんがとぼけた主張をして、ツッコミ担当の橋本直さんがそれをとがめるようにして、追い込んでいく。鰻さんは何を言われても譲らないので、さらに激しいツッコミの速射砲を浴びる。この息の合ったやりとりが見事に決まっていました。

 鰻さんは日本に6人しかいないという珍しい名字の持ち主。鰻家では鰻を食べてはいけないという言い伝えがあり、実際に「うなぎパイ」を食べた兄が原因不明の腹痛になって救急車で運ばれたこともあるそうです。

 この大会をきっかけに、銀シャリをテレビで見る機会も増えていくかもしれません。そのときには鰻さんの珍名キャラにも注目したいところです。

 また、今回の『M-1』で決勝に進んだ芸人の中で、これを読んでいる皆さんにぜひオススメしたい芸人は、男女コンビの相席スタートです。