5、死にたくなったら、自分に異常に自信を持て
でも、39歳ぐらいのときには、自殺までは思わなかったんですけど、寝る前に布団の中で「このまま死んでりゃいいのに」と思ったりはしましたね。それでも辞めなかったのは、やっぱりバカだったからなのかな。
とにかく自分の笑いに異常に自信があったんですよ。20年間ずっと井の中の蛙だったので。まあ、今はテレビとかにも出るようになって、本当に才能のあるすごい人たちにも会うので、「あっ、これは俺にはできないわ」って分かってきたりするんですけど。
でも、長い間売れてなくて、さすがにこういう感じで毎日のようにテレビのお仕事を頂いてバーッと出るようなことはないだろうと思ってたので、人生ってすげえな、って。
僕はずっと過去を振り返るのがすごい怖かったんですよ。あまりにも何もないので。
でも、40歳になるちょっと前ぐらいに、これまでの自分を一回ちゃんと振り返ったんですね。それで、「よし、これからもがんばろう」って思って前に進んで、そこから別に何もなくて。でも、その後で急に売れたから驚きましたね。
まあ、人生のバランスで言うと、ここまで20年もがんばってきたので「このまま売れないなんてことがあってたまるか」って思ってたんです。こんなにがんばってるのに、このまま何もないなんてふざけんなよ、って。
だから、40歳を超えてようやくいいことがあって良かったなと。やっぱり「夢を見てがんばろう」とか、そういう若者のような青いノリが実は自分の中にあるんですよね。
もし自分の状況を冷静に分析できていたら、30歳ぐらいで芸人を辞めていたと思います。
*後編はこちら→「孤独は悪いことじゃない―芸人・永野から働き女子へ」
1974年9月2日宮崎県生まれ。AB型。グレープカンパニー所属。1995年に芸能界デビュー。シュールな芸風が持ち味のピン芸人で、2014年の年末に出演した『アメトーーク!』をきっかけにブレイク。DVD『Ω』(ポニーキャニオン)、LINEスタンプ『歌う!永野の○○が好っき~スタンプ』が発売中。クレーンゲーム景品『永野のイワシ缶』『永野ボイスマスコット』も話題。
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文/ラリー遠田 写真/小野さやか