まず、前提として言えるのは、お笑い界に限らず、世の中全体で晩婚化が進んでいる、ということです。男性の平均初婚年齢は年々上がっていて、平成25年には30.9歳(厚生労働省調べ)になっています。男性が最初に結婚するのは「30代以降」というのが多数派になりつつあります。

 また、お笑いの世界では、テレビにたくさん出て売れっ子になる人の年齢もどんどん上がっています。例えば、今から25年前の1990年、飛ぶ鳥を落とす勢いでグングン人気を伸ばしていたウッチャンナンチャンの2人は、ゴールデンタイムで冠番組『ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!』(フジテレビ系)をスタートさせます。このとき、2人はまだ25歳でした。同時期に活躍していたとんねるずやダウンタウンも「20代でゴールデンタイムに冠番組を持つ」という離れ業を達成しています。この時代にはまだ20代でスターになる道が残されていたのです。

30代で「戦場」の最前線にいる芸人たち

 ところが、最近ではそういうことはほとんどありません。芸人の数も増え、競争も激しくなっている現在では、30代前半ぐらいでようやくレギュラー番組を持つチャンスが与えられ、冠番組を持ったりMCを務めたりするのは30代後半から、というのが一般的になっています。

 そういう状況の中で、テレビに出る芸人は熾烈な競争を勝ち抜かなくてはいけません。30代で戦場の最前線にいる芸人たちは、仕事が落ち着くまではどうしても結婚や恋愛などのプライベートを充実させることが疎かになってしまうのでしょう。