『M-1』で鍛えられたネタ作りのセンス

 さらに、彼らはその発想力を生かすためのネタの見せ方にも秀でています。サンドウィッチマンと言えば、漫才日本一を決める『M-1グランプリ』で敗者復活戦から勝ち上がって劇的な逆転優勝を果たしたことがよく知られています。彼らは『M-1グランプリ』という大会を目標にして、そこで勝つための漫才を日々磨き上げていました。そのための作戦の一つが、ネタの中の無駄な言葉を極限までそぎ落として、テンポを良くして笑いどころを増やす、という戦略です。これが功を奏して、彼らは優勝することができたのです。この経験を経て、彼らのネタはますます洗練されたものになっていきました。

 サンドウィッチマンの二人は宮城県出身で、2011年の東日本大震災のときには地元にいて自身も被災を経験しました。その後、彼らは義援金募集などさまざまな形で復興支援の活動を続けています。幅広い層に支持を集めているサンドウィッチマンは、日本をひとつにつなぐためのシンボルとしてもふさわしい存在だと思います。万人に愛される「全方位型芸人」としてこれからさらにその支持層を広げていくことでしょう。

文/ラリー遠田

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