滝沢カレン、指原莉乃、小島瑠璃子の実力

 また、「おバカ」を超えた「天然系」で今トップを走っているのが滝沢カレンさんです。ウクライナ人と日本人のハーフで、エキゾチックな魅力のあるクール系の美女ですが、その外見とは裏腹にヘンテコな日本語を駆使して話をする様子が面白く、何をしゃべっても自然に笑いを誘います。

 バラエティー番組では、話にオチをつけるのはだいたい芸人の仕事なのですが、滝沢さんだけは例外。一人でオチまで持っていく決定力があるので、何人かに話を聞いて最後に話を振られる「大オチ」を任されることも多いのです。「決定力」を持っているというのが、滝沢さんの一番の強みです。

 また、サブMCのポジションで健闘しているのが指原莉乃さんです。指原さんの売りは、アイドルでありながら自らのスキャンダルも堂々とネタにする自虐キャラです。もともとアイドルオタク的なところがあり、同性を意地悪な目線で斬るのも得意としているため、そういう企画で重宝される存在でもあります。

 バラエティーの現場では、自分のコンプレックスや隠したいこともさらけ出すような胆力が求められます。そもそも女性は他人の目線を気にしやすいので、なかなかそうやって開き直ることができません。だからこそ、覚悟を決めて戦っている指原さんが突出した存在となっているのでしょう。

 そして、女性タレント業界で多くの人に恐れられている「モンスター」といえば、小島瑠璃子さんです。小島さんの売りは、報道系の硬い番組からお笑い系のバラエティーまで、何でもこなせる抜群の対応力です。

 2017年には池上彰さんの選挙特番に出演して、各党の開票センターのレポーターを担当。短く的確な表現でレポートをして、視聴者からも大絶賛を浴びました。政治家に鋭く斬り込む池上さんのスタイルが「池上無双」と呼ばれたことにちなんで、「こじるり無双」という言葉まで生まれたほどです。どんな状況でも的確に正解を出し続ける小島さんは、十年に一度の天才的な女性タレントだと言っても過言ではないと思います。

 女性バラエティータレントの世界は厳しいものですが、だからこそ、そこで生き残っている少数の売れっ子は、それぞれがただ者ではない才能を備えているのです。

バラエティーの世界で戦っている女性も、かっこいいですよね 画像はイメージ (C)PIXTA
バラエティーの世界で戦っている女性も、かっこいいですよね 画像はイメージ (C)PIXTA

文/ラリー遠田 写真/PIXTA

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