なぜ松本人志の発言に注目が集まるのか?

 松本さんはもともと、笑いに対するこだわりが人一倍強いことで知られていますが、それ以外の分野でも、確固たる自分の意見を持っているタイプの人間です。

 過去には、雑誌の連載コラムやラジオ番組などでも、政治、芸能、社会に関するさまざまな主張を発信し続けてきました。

 松本さんは、時事問題について何か述べるときにも、先入観や常識にとらわれず、自分の頭で考えた意見を率直に口にしています。

 だからこそ、その意見には独特の「鋭さ」があり、それが多くの人の心に刺さっているのです。

 松本さん自身は「ご意見番」と呼ばれることに違和感を持っているようですが、現状ではそう言われるのも無理はないと思われるくらい、松本さんの発言に対する世間の注目度は高くなっています。

 松本さん以外にも、ご意見番として注目される芸人の特徴としては「空気を(あえて)読まない」ということが挙げられます。

 芸人というのは本来、他のどんな人よりも敏感に場の空気を読んでいるものです。「笑い」という人間の繊細な感覚を扱っている以上、その場の雰囲気や観客の反応を気にするのは当然のことだからです。

 しかし、「ご意見番芸人」としては、話している内容が無難なところに収まってばかりでは面白くない、というのも事実です。

 だからこそ、時には誤解を恐れずに極論や少数派の意見をあえて口にすることも必要だったりします。