実は遅咲きだったバナナマン

 バナナマンは同世代の芸人の中では「遅咲き」として知られていました。

 ライブでは緻密に練り上げられたコントで人気を博し、業界内での評価はずっと高かったのですが、なかなかテレビでは芽が出ない時期が続いていました。

 設楽統さんが自宅で火事に遭い、ドロドロに溶けた自分の携帯電話を番組で見せて爆笑を取ったり、日村さんが子どもの頃の貴乃花のものまねを披露したり、第1回の『キングオブコント』で準優勝したりと、いくつかのきっかけがあって彼らは徐々にテレビの世界で仕事を増やしていきました。

 現在では、設楽さんが朝の情報番組『ノンストップ!』のMCを務めている一方で、日村さんが単独でテレビに出る機会も増えてきています。

 タレントとしての日村さんの魅力は、人当たりの良さと明るさでしょう。

 『万年B組ヒムケン先生』や『バナナマンのせっかくグルメ!!』では、日村さんがロケに出向き、一般人を取材していきます。

 こういうときに日村さんは、決して芸能人気取りでお高くとまったりはせずに、気さくな感じで一般人の懐に入り込んでいきます。

 そして、いかにも芸人っぽく無理にボケたりイジったりはせずに、温かい目線で相手を見守るように寄り添っていきます。