こんにちは。Before 9(ビフォア・ナイン)プロジェクト主宰/CONECTA代表、池田千恵です。「ひとり力の作り方」で提唱する「ひとり力」とは、「自分の頭と心を定期的に棚卸し、客観的に見つめて軌道修正していく力」のこと。独身、既婚、家族と同居、ひとり暮らし、子育て中…。どんな状況にあっても精神的、物理的に「ひとり」の時間を作ることはできます。「ひとり力」をつけることで、ほっとしたり、リフレッシュしたり、リラックスしたり、将来のことを楽しく想像したり、今までの振り返りをしたりできるようになれば、慌ただしい毎日も、心穏やかに過ごせるようになります。本来のあなたを、あなた自身の手に取り戻すひとつの手段が「ひとり力」をつけることです。最終回の今回は、“自分の中に「ひとり力」を持て”をテーマにお伝えします。

ひとり時間をつくるために、つながりをあえて「断ち切る」勇気を

 この連載を通じて繰り返しお伝えしたことは、周囲の音に自分の心の声をかき消されないようにするために、ひとりの時間を定期的に取るための提案です。

 今は何をしても、どこにいても、ネットで誰かとつながっている時代です。もちろん、つながっていることにはメリットもあります。分からないことはすぐに検索できるし、困ったことは質問すれば助けてもらえます。ひとり時間を楽しむ様子をSNSで投稿して見てもらうから、ひとりでも寂しくない、といったように、今までとはちょっと違ったスタイルの「おひとりさま」が生まれるきっかけにもなりました。

 しかし、そんな時代だからこそ、定期的な「デジタルデトックス(ネットなどのデジタル情報から離れること)」が必要なのではないでしょうか。情報量が多すぎると、選ぶのに疲れて考えることをやめてしまうので、自分自身の判断軸が鈍ってきてしまうのです。

 今はスマホを触るたび、PCを開くたび、見たくなくても情報は目につきます。そういった情報に日々接し続けていると、自分が本当に頭で考えた意見なのか、それともネット論客が言っていた意見なのか、その判断基準も曖昧になってきてしまいます。あふれる情報を鵜呑みにして、その情報を得ることで「自分はちゃんと考えている」と思い込んでしまう危険があるのです。

 これが常に習慣となってしまうと、いつしか自分の本当の心の声にも気付かなくなってしまいます。私自身、過去に努力が報われなかったときのことを振り返ると、「ひとり時間」が足りず、行き当たりばったりで直面した突然の問題に、一生懸命エネルギーを注ぎ込むことで疲れてしまっていたことが多かったように思います。忙しかったり、情報量が多かったりするため、「考えていない」ということすら自分で気付かなくなってしまうのです。

あれこれ口を出す人は、あなたの人生の責任を取ってはくれない

 例えば、頑張ることが格好悪いことだとか、どうせ頑張っても無駄だとか言って、頑張ること自体を諦めたりすることはありませんか? それは本当にあなたの心からの言葉ですか? それとも、誰かが言っていた言葉に引っ張られてそう思うようになったのですか?

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