こんにちは。Before 9(ビフォア・ナイン)プロジェクト主宰/CONECTA代表、池田千恵です。「ひとり力の作り方」で提唱する「ひとり力」とは、「自分の頭と心を定期的に棚卸し、客観的に見つめて軌道修正していく力」のこと。独身、既婚、家族と同居、ひとり暮らし、子育て中…。どんな状況にあっても精神的、物理的に「ひとり」の時間を作ることはできます。「ひとり力」をつけることで、ほっとしたり、リフレッシュしたり、 リラックスしたり、将来のことを楽しく想像したり、今までの振り返りをしたりできるようになれば、慌ただしい毎日も、心穏やかに過ごせるようになります。 本来のあなたを、あなた自身の手に取り戻すひとつの手段が「ひとり力」をつけることです。第29回の今回は、「好きで・得意で・勝てるを深堀りしてみよう」というテーマでお伝えします。

自己分析は就活時期だけのものではない?

 「好きを仕事に!」というテーマは雑誌やネットでも永遠の人気記事です。このコラムをご覧の皆さんも、就職活動や転職活動の際、自分の好きなことって一体何だろう? と、たくさん悩んできた経験をお持ちかと思います。もしかしたら、今も仕事を続けながら模索中かもしれませんね。

 とはいえ、忙しい毎日、腰を据えてもう一度棚卸しというのもなかなか大変なこと。好きだけを追求して、何も考えずに飛び出して路頭に迷う訳にもいかないのが現状です。そんなときにおすすめの、ひとり時間でできるプチ棚卸し法を今回はお伝えします。名付けて「ストーカー分析」です。

 「ストーカー」と聞くとドキっとしてしまうかも知れませんが、「好き」で「得意」で「勝てる」の頭文字から名付けただけなので、怪しいものではありません。日本語だと少し違和感があるかもしれませんが、英語で「stalker」を調べると、獲物を追い求める人という訳もあるため、そのような意味合いも込めて命名しました。

 用意するのは「好き」「得意」「勝てる」を、三層の逆ピラミッドにした図と、ふせんです。図は使いやすいようにA3に拡大コピーしましょう。

 準備ができたら、次の手順で分析をしてみてください。

1.最初にあなたの「好き」を、「1テーマ1ふせん」でどんどん書いてく

2.それをふるいにかけ、「得意」なものを抽出する

3.最後に「勝てる」ものまで絞りこむ

4.「好き」「得意」「勝てる」と思ったものを改めて眺めてみて、「なぜそう思うのか?」を考える

 「勝てる」と聞いて、何だろう? と思う方も多いかもしれません。この「勝てる」は自分ひとりでは決めることが難しいですし、なかなか客観的に見ることができないものです。常に流動的で状況が変わるということもあり得るので、あなたが考えた「勝てる」を周囲に話して反応を見てみる必要があります。まずはひとりで考えたときに「勝てる」を判断するための基準は下記のとおりです。

●基準1

周囲に話したときに、「すごい!」「それで?」と身を乗り出して聞かれたことがあるか?(SNSでアップしたときに普段よりも良い反応がもらえたか?)

●基準2

その分野で少しでもお金を稼いだ経験があるか?(お礼にプレゼントをもらった、感謝されて手紙をもらった、などでも可)