朝型勤務を促進し時間外労働を削減 
8時前出社の社員には朝食の無料提供も

――4つめに「ワーク・ライフ・バランス」が挙げられています。昨年12月に閣議決定された第4次男女共同参画計画でも、長時間労働を是とする「男性中心型労働慣行」を見直し、働き方改革を進めることが女性活躍に重要だと指摘されています。

北原:時間外労働をいかに減らすか。これは当社の最大のミッションといっても過言ではありません。生産性を上げることで労働時間を短縮し、男女問わず家庭と仕事のバランスを良好にすることを重視しています。

 施策の一例としては、朝型勤務を促進すべく、昨年9月、10月の毎週木曜日を「完全深夜労働禁止日」にし、その代わり、同日の朝8時前に出勤した従業員には、朝食の無料提供を行いました。毎回100人強が朝型勤務に取り組んでいましたね。

 他にも、年次有給休暇の取得がなかなか進まない現状を受け、2015年度は休日を2日間多く作り、一斉に年休行使しました。業務都合などでこの日に休めない人には、別の日に休んでもらうようにしています。

朝型勤務実施中を周囲にアピール、“早くカエル宣言”表示札もつくった
朝型勤務実施中を周囲にアピール、“早くカエル宣言”表示札もつくった

 ユニークなものとしては、「リフレッシュ休暇制度」に対するフォローの取り組みです。日立グループのほとんどの会社には、勤続年数に応じたリフレッシュの休暇制度があるのですが、なかなかまとまった休暇は取りづらいという声も。そこで、人事担当役員から家族宛に「今年度、リフレッシュ休暇の対象です」といったハガキを出します。この「家族に出す」のがカギ。家庭でも情報を共有し、家族を巻き込んで休暇をとるように誘導するというわけです。

――家族の方のプレッシャーも活用すると。

北原:そうですね。さまざまな取り組みの結果、有給取得率も少しずつ上がっています。日立グループ内でこうしたフォローシステムを取り入れているのは、珍しい取り組みだと思います。