ギネスブックも認めた最大最古の城
世界遺産としてのプラハの歴史地区は、主に11~12世紀の街並みが残る旧市街、14世紀以降に発展した新市街、さらにプラハ城およびその城下町である小地区からなる。
この中で、プラハのシンボルといわれるのがプラハ城だ。880年頃にヴルタヴァ川を見下ろす高台に築かれた城砦が13世紀の戦禍で荒廃し、14世紀に再建・拡張されたのが現在のプラハ城である。
再建の主導者は、現在のチェコ中心部であるボヘミア地方を統治していたカレル1世。彼は、カール4世として神聖ローマ帝国の皇帝に選ばれると、プラハを帝国の首都とし、ローマやコンスタンティノープル(現イスタンブール)に匹敵する、ヨーロッパ最大規模の都市にすることを目指した。そして、イタリアやドイツから名だたる芸術家や建築家たちを呼び集め、プラハ城の拡張に取り組んだのである。
歴代ボヘミア王の居城として利用されたプラハ城は、東西580m、南北は平均120m。細長い城内は、さながら小さな都市のよう。旧王宮をはじめ、プラハ城内最古の聖堂である聖イジー聖堂、完成に600年の歳月を要した聖ヴィート大聖堂などがそびえる。
一方、北東部にある「黄金の小道」は、多くの錬金術師が住んだ場所。パステルカラーの建物が並ぶ小道は、まるでおとぎの国に迷い込んだかのような可愛らしさだ。ここには、カフカが一時住んだ家もある。22番の番号がついた青い家がそれ。現在は土産物屋になっているので要チェックだ。
「最も大きく、最も古い城」ということで、ギネスブックにも掲載されているプラハ城。ここには衛兵が常駐し、毎正時に衛兵の交代が行われる。通常は数人の衛兵が交代するだけだが、正午の交代式は音楽隊も登場する華やかさ。ひと目見ようと、毎日多くの観光客が押し寄せる。見逃したくないプラハ城名物だ。