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 過去10年間クリエイティブな分野のトップ・パフォーマーを研究してきたジョージタウン大学のコンピュータサイエンス教授Cal Newport(カル・ニューポート)は、成功者に共通して見られる意外な特質を指摘しています。

 それはなんと「怠惰さ」です。

 努力が成功につながるという一般常識からかけ離れているこの指摘は果たしてなにを意味しているのでしょうか?

[引用]ノーベル賞受賞者で物理学者の故Richard Feynman(リチャード・ファインマン)は、20世紀科学の最も優れた人物である。しかし、彼はコーネル大学の同僚からは「怠惰」に映った。1981年のインタビュー(*)でFeynmanはそのことを認めている。「私は進んで無責任でいるようにしている。周囲には『私は何もしない』と言っている。誰かに委員会のメンバーになってほしいと頼まれても『ノー』と断る。

 ポストモダンSF作家として知られるNeal Stephenson(ニール・スティーブンソン)もFeynmanと同様のスタンスを取っています。

[引用]「Why I’m a Bad Correspondent」(*)(なぜ私が筆不精か)と題されたエッセイの中でStephensonは、読者とのやりとりにあまり興味がないことを明かしている。Stephensonは公開のメールアドレスを持ってない上に、シンポジウムへの招待、ソーシャルメディア上でのやりとりも断っている(*)。どうしても公の場で話して欲しいと頼まれても、「ほとんどのオファーは断り、引き受けたとしても高額な講演費とお金のかかる渡航・滞在プランを組むよう要求し、事前準備はせず、ただその場に現れ、即席でしゃべる」とStephensonは注意する(*)。

 この二人の人物の例を引き合いに出し、Newportは次のように述べています。

[引用]つまり、価値あるものを生み出せる人の多くは、その分野の常識からするととことん「怠惰」に見える仕事の仕方をしているのだ。

仕事での「頑張り」をしっかり分類できていますか?

  Newportは「頑張りが価値ある仕事につながる」という見解が勘違いに基づいていると主張します。実際のところ価値ある仕事につながる作業は一部のものに限られているのです。それは一体どんな仕事なのでしょうか?

[引用]多くの野心的な人にとって仕事とは、自分のキャリアにとってプラスになる可能性を持つ活動を意味する。この定義に当てはまるものは多くの分野でもちろん、無限に存在する。それは教授たちが延々と続く委員会に参加することから、ライターがソーシャルメディア上で自分の影響力を維持しようとエネルギーを使い果たすことまでを含む。私たちを煩わせる今日の「忙しさ」の文化(*)は、仕事に対するこうした一般見解によるところが大きい。そこでは、成功度と疲労度が対応しているかのようにと捉えられている。しかし、この仕事の捉え方には欠陥がある。むしろこれらの活動を2つの「頑張り」にはっきりと分ける方が有益なのだ。