安全な場所で失敗するのが理想

 さまざまなことにチャレンジするからこそ、すばらしいものを得ることができるのです。そしてそれには失敗がつきもの。一番の理想はかかんにチャレンジでき、安心して失敗できる場所をつくること。失敗は必ずしも致命的なダメージを伴うものではありません。まずは安全に失敗できる環境を整えることから始めましょう。

1. 複数のアイデアを試してみよう

[引用]市場は数々の新しいアイデアの模索を促すと同時に、容赦なく基準に満たないものを間引いていく[「鍛えられた多元主義」]の原理で動いている。「多元主義が機能するのは、新しい経験なくしては人生は生きるに値しないからだ」。多くのことを試し、上手くいったものだけにコミットしてみよう。

2. 与えられた環境の中で新しいアイデアを試してみよう

[引用]原子力発電者を制御する職業などでない限り、仕事にもう少し自由度と柔軟性を持たせることができるだろう。型通りのアイデアと一緒に、型破りなアイデアもいくつか試してみるのだ。

3. リスクと安全の両方が共存する環境に身を置く

[引用]大学は失敗をするにはすばらしく安全な環境である。新しい友達、新しいまち、新しい趣味、新しいアイデアをいろいろ試す中で、勉強においても人間関係においても失敗することが多々ある。一方、私たちはそこで派手に失敗しない限り、大学生活を無事に終え、卒業し、次のステージに行くことを理解している。このリスクと安全の組み合わせが私たちをウキウキさせる。しかし、年を重ねていくごとにどこかでそれを失ってしまうのだ。

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 「失敗」を「する」、「しない」といった単純な対立概念と比べるとずいぶん多面的な視点を得られたのではないでしょうか?「失敗を恐れない」という考え方も悪くはありませんが、それ以上に人間は常に新しい刺激や変化から英気を得ているという点も重要かもしれません。つまり、あのワクワク感に到達するためには新しいことに挑戦することが必要なのです。そしてそのプロセスには必ず失敗がついてきます。私たちはその失敗をもとにアイデアを修正し、そこから成功を得た時に喜びを感じるのです。

 失敗をする余裕がないというのは頭の中の幻想かもしれません。むしろ、変化に適応していかなければ生き残れません。ゲーム感覚で小さいところからはじめてみましょう。あなたが今日できる挑戦はなんですか?どんな失敗をし、何を学びましたか?

99U「Why Success Always Starts With Failure」(Sarah Rapp著)をもとに翻訳、再構成

翻訳・構成/相磯展子