「働き女子の味方! 目からウロコの仕事ハック」では「アイデアを実現するためのカリキュラム」の提供を目的としたブログ99Uの記事を紹介しています。仕事に関するさまざまなノウハウを取り上げた本サイトでは仕事効率化、モチベーション、失敗の対処法、メール術、体調管理など幅広いテーマをカバー。仕事にまつわる様々なテーマを学問的な知見を交えながら分かりやすく解説。常識を覆すユニークな視点で書かれた記事が魅力です。

 「失敗から学べ」というのはよく耳にしますが、私たちは実際にそのように行動しているでしょうか?  おそらく多くの人がなるべく失敗しないよう細心の注意を払い、いざ失敗した時はそれを挽回することに躍起になったり、防げたはずと自分を責めているのでしょう。失敗から学ぶのが難しいのは、私たちがそれからくる痛手が大きいと考えるからです。「失敗したら上司に叱られる」、「周囲の目が気になる」、「チームに申し訳ない」、「自分の評価が下がる」と言った理由から私たちは失敗を避けることが最も重要なことだと考えます。

 こうした回避的なアプローチには対価があります。それは周囲の冷たい視線よりも長期的に見れば大きな対価です。私たちは失敗を受け止めないこと(避ける、失敗しても受け止めないなど)で成長、レベルアップの機会を失い、新しい体験を得られなくなります。それは、マンネリ化や退屈感にもつながるかもしれません。

[引用]「本当に命取りな失敗は少ない」。自著『Adapt: Why Success Always Starts With Failure』(遠藤真美訳『アダプト思考 予測不能社会で成功に導くアプローチ』) の中でこう記しているのは経済学者、Financial Times(ファイナンシャル・タイムズ)のコラムニストのTim Harford(ティム・ハーフォード)。

 しかし、私たちは時に「失敗」をこの世の終わりのように捉えてしまいます。今回のコラムでは、Harfordが語る失敗を成長につなげる方法をご紹介します。

間違った失敗への対応とは?

 そもそも失敗という言葉が良くないのかもしれません。字義通りに捉えれば「失い、敗れる」のが失敗です。これに従うとそれは当然まずいことになります。しかし、私たちは失敗を嫌うあまり実際に失敗した時にそれを上手く受け止められなくなってしまい、肝心な「適応」ができなくなってしまうのです。ここでHarfordが紹介している間違った失敗へ対応を見ていきましょう。

1. 失敗を否定する

[引用]失敗をしたことを認め、それを正すことはとてつもなく難しいことらしい。なぜならそれは自分が作り上げた状況を疑問視することを必要とするからだ。

2. 躍起になって失敗を挽回しようとする

[引用]私たちは後になって後悔した判断を忘れたいあまり躍起になり、それをもみ消そうとする過程でさらに大きなダメージを生んでしまう。例えば、ついさっき損をしたポーカー・プレイヤーは、失った金額を取り戻し、失敗を無効にしようと軽率なチャレンジに挑むため、普段よりも大きいリスクを伴う賭けに出る傾向がある。

3. 失敗を失敗として捉えない

[引用]私たちは失敗がたいして重要でないかのように自分を説得しようと「勝手な編集」をする。失ったものを得たものとひとまとめにし、失敗をなんとか成功として再解釈できる方法を探すのだ。