睡眠不足の人は「休むべき」という判断さえできない

 私たちの多くは7~9時間の睡眠で「十分寝た」と感じることができます。あなたはどれくらいの睡眠をとっていますか? 7時間以下と答えた人は、寝不足のせいで自分の力を十分発揮できていない可能性が高いです。そう、あなたは睡眠を削ることで自分のポテンシャルを発揮できなくしているのです。

[引用]ハーバード大学で睡眠研究を行っているCharles A. Czeisler(チャールズ・A・ツァイスラー)は、次のように書いている。「酔っ払いのように《中略》睡眠不足の人は、実際に自分がどれだけ上手く機能していないかまったく気づいていない。私たちのほとんどが、目が冷めている状態を忘れてしまっている」。(*)

 判断力がない・簡単なことなのにすごく時間がかかってしまう・すぐにイライラしてしまう。こんな自分がいたら、もしかしたらそれは寝不足のせいかもしれません。

眠い時はコーヒーではなく昼寝を

 寝不足でしんどい時、あなたもう既に効率よく仕事ができていません。そんな時、コーヒーなどのカフェインでその場をしのぐのではなく、昼寝をしましょう。短時間の睡眠で集中力が一気に回復し、仕事が効率よく進みます。Schwartzも、カリフォルニア大学で睡眠研究を行っている Sara C. Mednick(サラ・C・メドニック)の「60分~90分の睡眠が8時間睡眠と同じ記憶力を発揮する」という研究結果を引き合いに出し、昼寝の効果を主張しています。

 疲れている時は電車の中でも、デスクでも、短い睡眠をとるよう心がけましょう。それだけでも疲労度が軽減され、集中力が回復します。

余裕がない時こそ休む

 睡眠不足は悪循環を生み出します。忙しいと寝不足になり、寝不足になるといろいろな機能が低下し、さらに余裕がなくなっていきます。また、寝不足でイライラが高まり、対処力が低下すると、目の前の状況が客観的に見られなくなってくるのです。そうすると目の前のことを実際よりも、「大変」「しんどい」と感じてしまいます。

 寝不足で余裕がなくなってきた時、それを無視してはいけません。むしろ、そんな時こそ勇気を持って休むことが必要なのです。悪循環を断ち切るにはそれしかありません。昼寝をしたり、十分に睡眠をとるようにしましょう。自分が思っている以上にリフレッシュすることができ、目の前の障害もたいしたことではなかったことに気づくはずです。

 睡眠不足ほど見過ごされている悪い習慣はありません。睡眠を優先することで、仕事ぶりも、毎日の気分もがらりと変わるはずです。睡眠はなにもぜいたくではありません。いい仕事をするための前提なのです。

文/相磯 展子

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