やり過ごすのはやめて、問題と向き合う

 大きな対立は、ちょっとした誤解や行き違いなどの小さなズレから生じます。つまり、ちょっとしたことでも気になることがあれば、相手と話し合うことが重要なのです。状況に直接的に対処することでKjerulfが指摘するように、「とても越えられそうにない、深刻で大きな対立が建設的に対処されたことで、一瞬のうちに消えてなくなってしまった」ということがあるのです。また一方で状況をやり過ごすことで、「とてもちっぽけな問題が会社を傾けるくらい大きな問題に発展してしまう」ケースもあります。(*)

意見の違いがあって当たり前

 私たちはそれぞれ違う人間です。そう考えると意見の違いがあって当然。その違いを共有せずに、物事を進めていこうとすることの方に無理があります。主張すること自体は失礼でも、攻撃的な行為でもありません。そして対立があるからといって、必ずしも何もかも問題があるわけではないのです。むしろそれは、関わっている人たちの真剣さの表れと捉えることもできます。

 重要なのは相手と話し合う時に、感情を持ち込まないこと。当然のことですが、攻撃的な態度を取れば相手からも同じ態度が返ってきます。「自分/相手が正しい」、「自分/相手が間違っている」といった勝ち負けの問題として対立を捉えることはやめましょう。いったん「自分」は外し、行き違いがどこで起きているのかを解消することに集中してください。例え相手が間違っていたとしても、必要以上に攻める必要はありません。

 何か気になることがあったら、その場ですぐに相手に聞くようにしましょう。それは、「今言ったことはどういう意味?」といった率直な疑問などでいいのです。このような丁寧なコミュニケーションが対立を解消し、最終的に仕事をスムーズに進められます。みなさんは日頃から対立を避けていませんか? 相手に歩み寄ってみることで、それは意外と簡単に解消できるかもしれません。

文/相磯展子

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