「働き女子の味方! 目からウロコの仕事ハック」では「アイデアを実現するためのカリキュラム」の提供を目的としたブログ99U記事を紹介しています。仕事に関するさまざまなノウハウを取り上げた本サイトでは仕事効率化、モチベーション、失敗の対処法、メール術、体調管理など幅広いテーマをカバー。仕事にまつわる様々なテーマを学問的な知見を交えながら分かりやすく解説。常識を覆すユニークな視点で書かれた記事が魅力です。

 Googleのソフトウェア・エンジニア、マット・カッツはTEDカンファレンスで「30日間チャレンジ」の魅力について語っています。「30日間チャレンジ」とはこれまでにやったことがないことを30日間毎日続けるという試みです。

 決められた枠組みの中で効率よく仕事をこなすことを考えると、枠から外れることは「時間の無駄」です。しかも、新しいことに挑戦して失敗をすれば信用を失いかねません。こうして私たちは日常のあらゆる場面で失敗を許さなくなってしまい、どんどんルーティンから抜け出せなくなっていきます。しかしこれこそが「つまらない」といった感覚やマンネリ化の原因なのです。実際、カッツが30日間のチャレンジに思い立ったのもマンネリ化から抜け出すためでした。

 30日間チャレンジは上記のような一見効率的な考えの逆をいくものです。このチャレンジの目的は完璧さを追求することではなく、前に進むことなのです。

カッツは30日間チャレンジから以下のようなことが得られたと語っています。
・「月日が記憶をすり抜けていくのではなく、思い出に残る時間の過ごし方ができました」
・「もう一つ気付いたことは、より困難な30日間チャレンジをやればやるほど自信がついていったことです」

30日間チャレンジがなぜ効果的なのか

 一見無目的にも見える30日チャレンジにはいったいどんな利点があるのでしょうか。今回の記事の著者である99UライターSrinivas Rao(ラオ・シュリニヴァス)はこうしたチャレンジをアスリートが行う「クロストレーニング」に例えて説明しています。

 クロストレーニングとは、メイン競技でのパフォーマンス向上のために敢えて違う種目を練習メニューに取り入れるトレーニング法です。同じ鍛え方をずっと続けていると疲労が溜まる上、身体のバランスが悪くなり、パフォーマンスにも限界がきてしまいます。こうした状況で敢えて不慣れなことに挑戦することでこうした悪循環を断ち切り、成長の壁やスランプを打開できるのです。このアプローチをこのまま仕事に置き換えたのが30日間チャレンジです。

 また、プライベートは大いに失敗してもいい領域です。プライベートを実験、遊びの場として活用しない手はありません。失敗を恐れず思い切りなにかをやること、そしてそれを毎日続けることは、直接的であれ間接的であれ、仕事にも影響が出てきます。ラオも「要となる習慣」を作ることで、それが生活のあらゆる側面に波及していくことを指摘しています。

[引用]要となる習慣を続けることでそれが人生全般に波及していく。例えば毎日ジョギングしていると突然食生活を変えたくなり、より健康的な食事を心がけるようになる。そしてそれがさらに他の生活の側面にも影響しはじめる。生活の一側面で行っている訓練の影響が広がっていくのだ。要の習慣において大事なのは、ただなにかを生み出す行為に徹底的にコミットすることである。