「かわいい」と言われることも受け入れる今っぽさ

 竹内さんは、同世代の俳優と共演した「帝⼀の國」のプロモーションで「ホンマでっか!?TV」に出演。その番組内で、「⼥性からかわいいと⾔われてうれしいか否か」という話題になりました。

 司会の明⽯家さんまさんは、「かわいいって上から⾒られてる感じがする」「かわいいって⾔われるとなめられているように感じるから、かっこいいと⾔われるほうがうれしい」といったコメントをしていました。また、その質問をした⼼理学者の植⽊理恵先⽣も「(かわいいと言われることを喜ぶ男性がいるとしたら)世も末、男性は⼤きい、強いに憧れるもの」とコメント。少し前の⼈ならば、こういう感覚もあったでしょう。

 ところが、⽵内さんは「かわいいと言われるとうれしい」と回答。また、「かわいいって⾔われたらかわいいモードに切り替えるよね」とコメントした野村周平さんに対しても、隣で「分かる分かる」とうなずいていました。

 実はこの番組で、「帝一の國」の出演者たちは、一人を除いて全員が「かわいい」と言われてうれしいと答えていました。これを「世も末」と思う人もいるのかもしれませんが、こういう価値観も今ではありでしょう。そして、そんな価値観を持っているからこその、あの「上目遣い」でもあるわけです。

 思えば、「上目遣い」には、女性がよくするしぐさのように捉えられることが多かったように思います。それが男性の魅力として語られたことは、いまだかつてほぼなかったのではないでしょうか。そんな「上目遣い」をも自分の魅力に取り込んでしまう、そしてドラマでもそんなシーンを演じてしまう竹内さんの、意外性にも人々が引かれる秘密がありそうです。

 一方で、熱い部分を感じさせられることもあります。⽵内さんが過去に出演されたトーク番組などを⾒ていましたが、「ひよっこ」に途中から参加することを聞かれると、「1話を⾒て焦ったんです。皆さんすごくて、ここに途中から⼊っていくのにかすんだらどうしようと思って」と答えたり、「朝ドラって15分じゃないですか。その短い時間でキャラをどう出せるかな」と語ったりしていました。これが、先ほどのプロデューサーが言っていた「飢えている感じ、現状にとどまりたくない感じ」につながるのでしょう。

 甘いしぐさや振る舞いを否定することなく、かつ俳優としての前向きな姿勢や熱さを持っているところも魅力的だなと感じました。

幅広い層から支持されている竹内さん。これからの活躍が楽しみです (C) PIXTA
幅広い層から支持されている竹内さん。これからの活躍が楽しみです (C) PIXTA

文/西森路代 イラスト/川崎タカオ 写真/PIXTA