こんにちは、「ワークルールとお金の話」の佐佐木由美子です。会社の定期健康診断を受ける機会を逃してしまい、何度も受診を促されている順子さん。ある日、健康診断を受けないとボーナスがカットされるということを知って、慌てて行動を起こしますが……。

受けそびれてしまった健康診断

 順子さんの勤める会社では、毎年4月に健康診断を実施していますが、今年に限って業務が忙しく、受けそびれてしまいました。そのまま、すっかり健康診断のことを忘れていたのですが、数カ月たったある日、総務部から健康診断を受けるように連絡が来ました。「予約を取らなければ……」と思っているうちに、いつの間にか時間がたってしまいました。

 その後、また総務から健康診断を受けるようにと督促メールがあり、「すぐ受けます」と返信したものの、業務が立て込んでいたこともあり、予約もできないままさらに時間が過ぎてしまいました。

 そんなある日、順子さんが同僚とランチをしているとき、聞き捨てならないことを耳にしました。

「知ってる? 私、まだ健康診断を受けていなかったんだけど、今年中に受けないとボーナスがカットされるんだって。上司から制度が変わったから早く受けるように言われて、慌てて予約を取ったのよ」

「健康診断を年内に受けないとボーナスがカットされる」と聞いて…  (C) PIXTA
「健康診断を年内に受けないとボーナスがカットされる」と聞いて… (C) PIXTA

 健康診断の受診率が低いことから、今年からそうしたディスインセンティブ制度を会社が打ち出したのです。

「そういえば、督促メールにもそのようなことが書いてあったような……」

 健康診断を毎年当たり前のように受けていた順子さんは、受診するつもりでいたので、自分とは関係のないことだと思って、すっかり忘れていました。

 そこで慌てて病院へ連絡したところ、年末まで混み合っていて、年内には予約が取れないとのこと。乳がん検診や子宮がん検診のオプションも受けたいと思っていた順子さんは、電話を切って青ざめてしまいました……。